社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

奥羽怪談

暑すぎて足が焼けそうだった。
日焼けだけじゃなく、「塩・胡椒振ったら食えるんでは?」な焼け方。蒸し焼き。

「奥羽怪談」(黒木あるじ ほか/竹書房怪談文庫)読んだ。

一口に東北と言うても広い(福島だけでも浜通り中通り会津で文化が違うと聞く)ので地域毎の特性が出るかと思ったが、其れ以上に語り手の個性が出るのかもしんない。
平谷さんが若し入院されてなかったら、どんな話が収録されていたのだろうか。
鷲羽さんは書き方や展開の癖がまた怪談の怖さを増す“装置”として見事だなあ。
福島に”ひとつ目”に因む奇談が多いとあった。初めて知った。
福島は割と不気味な感じの話が。
バの字の影響でどうしても福島に力入ってしまうな。
その影響で岩手や福島に友達がいるが、掲載されてる話・言い伝えetc.は「知ってるー!」なんだろうか。
あと、名称は違うけど「神霊の聲を伝える」方が各地にいらっしゃるのだな。
そして其の土地の方々の生活を支えておられた。

面白いというか印象に残った話。
・繋ぐ(岩手)
携帯電話のそういう使い方もあるのか。
他の県の話でも「御先祖様、TVもチェックしてはるやろか」という話があった。
・お役目(青森)
暴れん坊な本でいらっしゃるのだな・・・しかし大切にすれば”美味しいものが作れる”という幸せをもたらしてくださる。
・「振り返っても、いない」ということ(青森)
話自体には全く関係ないんだが、このクラスメイトの方に「京極先生の指抜き黒手袋が発売されて『魍魎の匣』がミュージカルになるんです」とお伝えしたらどんな顔しはるんやろなぁ、と。
・水道、便所、長女の言葉(青森)
怪談あるあるなのかもしれない、「メインよりそっちの方が怖い!聞かせて!」は。
・出羽怪・様々(山形)
物好きを以って怪を退散、か。
上手い。

そのうち「怪談から見る地域特性・文化の変容」みたいな考察が為されたりして。
怪談其れ自体もだし、書き手・読み手にも地域・文化の影響がありそう。

どうでもいいニュース:
ご当地怪談について、「関西怪談」「大阪怪談」は「あそこそんな話あったんや」というのがちょいちょいあった。
「現代怪談 地獄めぐり」の舞子墓園は場所知ってるのに怪談・ジンクスは全く知らなかった。