社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

瓦礫から本を生む

「瓦礫から本を生む」(土方正志/河出文庫)読んだ。

瓦礫から本を生む (河出文庫)

瓦礫から本を生む (河出文庫)

  • 作者:土方正志
  • 発売日: 2020/02/05
  • メディア: 文庫
仙台の出版社・荒蝦夷の方の東日本大震災から今までの記録。
荒蝦夷を立ち上げる前は、被災地に立って記事を書いてこられた方なのだそうだ。
だから気持ちを込めつつも、その時その時でどんな出来事があって、どう感じたのかを冷静に書いておられる。
恥ずかしながら、知らなかった話である。
呰麻呂からの手紙だったり、荒蝦夷まで直接本を買いにこられた方の話だったり、そこまで特別じゃないかもだけど、仙台に暮らす方の話とか。
震災当時もその後も、本を求める人も売る人も必死だった。
だけど作る側は荒蝦夷の方々みたく真剣な人ばかりじゃなくて「売れりゃいい」でクソな嘘っぱちパクリ本とか出しちゃう、配本しちゃう。きっつー。
売る側は或る意味そういうモノとも闘ってはったんかな。
出版の自由はあるけれど、お客さんが見えてるからこそ「読者が傷つくものは売りたくない」となる。
(もしかしたら求めてない本が配本されてるんだろうし)
何で現場の本屋が、そういう苦労しなきゃいけないんだろうね。

そして阪神淡路大震災海文堂書店の記録とも繋がっている。
海文堂のフェアはよく覚えている、自分が見た時は文芸書や話題の本が並ぶメイン的な平台に展開されていた。
荒蝦夷知ったのはその時だった。
「買って支援!」とは思うものの「何でもいいから買う」だと本に失礼かな、何よりお財布が・・・で買わず。
(今ちょっと後悔してる。ごめんなさい。それはそれで“出会い”なのだから。)
思わぬところで苦楽堂の成り立ちを知った。
今度「海の本屋のはなし」と合わせて読んでみよう。
sociologicls-acv.hatenadiary.jp
土方さんが神戸を気にかけてくださったように、自分も仙台、東北の事を気にかけて生きたい。

そういえば仙台行った時、本屋寄れてなかった。
行きで読み切って帰りに読む本を・・・と思いながら寄れず、空港の本屋だけだった。