映画に若いアイドル・タレント出したら客が釣れる、なんてのは出演者にも客にも失礼、莫迦にするのも大概にしていただきたい。
(事務所は内容精査しないのかねぇ)
中身で勝負してください、安易にマイノリティを型に嵌めて傷めつけるのではなく。
此れ迄真剣に映画を作ってこられた方々に無礼だろうよ。
言わずと知れた、大女優のエッセイである。・・・実のところ、高峰さんが出演されている映画を観た事が無い。
物心つく頃には既に引退されていた。
文庫巻末の作品紹介のとこでエッセイが紹介されているのを見て興味を持って借りてきたのだった。
此の本に収録されているエッセイが書かれたのは「二十四の瞳」の撮影をされる前後だろうか、そしてご結婚された時の話。
半生についても「私の歴史」として書かれている。
小さい頃から撮影所にいらっしゃって、ずっと女優として生きてこられた。
途中パリに行かれて、戻ってきた時には”ニューフェイス”として。
お休みする事で勘が戻りきらなかったという事かとは思うけれど、そこで「昔はこうだった」とならず、すっぱりと”新規まきなおし”というのが格好良い。
そして自分が如何に演技するか、というよりも監督さんを信用し、応える形で演技しておられたのだなぁ。
演技以外はとてもフラットでいらっしゃるように思った。
裏方さん、女中さんや運転手さんについてもさりげなくユーモラスに感謝の気持ちを述べられている。これまたすてき。
ご結婚の話が読んでいて胸が痛んだ。
俳優仲間やスタッフの方方がいち早くお祝いに駆けつけてこられたり、ファンの方がたくさん祝電やお手紙を送られたり、皆から祝われている。
なのに・・・カメラマンがドヤドヤ押しかけて汚していった。
一生に一度の事なのに。
今だったらインターネッツで「酷い!」って叩けるのに。叩いちゃいかんか。
昔から腐ってたんだ。。。
文章表現がすてき。
上原さんというすてきな港に小舟をつないでしまったとの事、(P.26)
とか。
読んでいて心が美しくなるような、でも美しすぎて居心地悪くなったりはしない。
そして、文章の流れるテンポが心地よい。
するするーっと読んでしまった。
「女のいっとういいやな点は虚栄心だと思うのですけれど」という言葉が心に刺さった。女だけじゃなく、人間みんなそうなのかも。
他の作品も読んでいけたら。