社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

医療民俗学序説 日本人は厄災とどう向き合ってきたか

沢山の人に読まれたいとは思わないが、本の感想書いたらぱかーんとPV増えるのに
震災の話書いたら下がるのは複雑である。

「医療民俗学序説 日本人は厄災とどう向き合ってきたか」(畑中章宏/春秋社)読んだ。

コロナ禍、災害の続く世の中を、民俗学の観点から見ていく。
医療というよりは感染症を含む厄災との向き合い方、のような気がする。

厄災に対して祈願したり何らかの儀式・慣習を行うのは感情・心に効くんだろうなとは思っていたが、其れだけじゃなくて過去の災害経験を活かして避難行動を予行演習するという効果もそうだ。
そして過去に起こった災害の記憶、対応や其の誤り等を記録として残し、反省し、怖さと教訓として次に活かすという効果も。
単なる迷信じゃないし、人間が生きていく限りは変わるとしても消える事は無いんだろう。
其れが間違った方向に拡散されてしまって害になるのが反ワクの奴等だったのでは・・・と思う。
自粛警察については容赦なく触れておられるが。

此度のコロナ禍といえばアマビエ。
「此の姿を描け」とは言うたが「病気にならないようにしてやる」とは言うてはらへん。
加門さんも其処は指摘してはったな。
アマビエを”物言う魚”と捉えると災難の象徴で恐ろしい。
だけど、其の恐ろしいアマビエを描いて拡散するのって、地震に対する「鯰絵」や伝染病に対する「疱瘡絵」「はしか絵」みたいなやつの現代版なんだろうなぁ、と読んでいて考えた。
祈りでもあり、記録でもあり、知恵駆使して負けないぞ!という意思表示。
其れこそ「伝承は時代に合わせて目的・意味を変えていく」。
アマビエに関しては「話として聞いていた伝承の変遷を目の当たりにしているぞ!」とワクテカしたのを思い出した。

其の他、パワースポットブーム等についても触れられている。
言われてみれば確かに、巨木・巨石等パワースポットになりやすいのは脅威・畏怖の対象でもある。
此の辺はもうちょっと読んでみたかった。

今起こっている出来事についてはSNSにたくさんの話が上がっているけれど、「後世に残す記録」としてはどれだけ有益だろうか。
信憑性を脇に置いといたとしても(置いとくな)何かと不安定だし(すぐ凍結されたりするし)、ブログかどっかに纏めて残しておく方が良いのかも知れない。
・・・と思ったけど、ブログだって何時迄残せるか怪しいもんなぁ。

どうでもいいニュース:
福島の塙町では2/8、10にニンニクみそやネギをこしらえ、臭くて疫病神が入ってこられないようにしていたそうだ。
松田家もやってはったんかしらん。
そういえばとあるTV番組で塙町のとある集落の祭が紹介されていたが、マツの故郷というだけでなく民俗学的なやつスキーにも魅力的な町なのかな。