社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

仮名手本忠臣蔵

仮名手本忠臣蔵」(松井今朝子・訳/河出文庫)読んだ。
知ってるようで実はあんまり知らない忠臣蔵
松の廊下で殿中でござる!とか雪が降る中太鼓片手に赤穂浪士が討ち入り&翌朝槍の先に吉良上野介の首の入った包みぶら下げて去っていくのを町人が見てる・・・とかいうイメージなんだが、実際どんな話なんだっけ。
最近だと忠臣蔵自体より其のパロディの方をよく見かける気がする。
こないだゲゲ謎観に行った時だって予告で「身代わり忠臣蔵」やってたけど、若者は元ネタ解るのだろうか。
松井今朝子読んでみたかったのもあって、此のバージョンを読む事にした。
・・・したらよ。

あのー、ちょっちレジで出しづらい艶っぽい表紙なんスけどー。

って、高師直南北朝から始まるの?
・・・解題に拠れば、当時リアルタイムであからさまに脚色して劇にするのは憚られたそうだ、だから太平記に仮託したそうである。
単純に置き換えるだけじゃなくて、「吉良」等登場人物を仄めかす記述も。
上手いな。
当時の人達からは高師直自体もあんまり快く思われてなかったんかもなぁ。
話としては自分が苦手なやつだ、偉そうな奴が権力笠に着て他所んちの夫婦に手を出すやつ。
怒った塩冶判官(→浅野内匠頭)が刃傷沙汰起こして切腹、家臣が味方欺いて女遊びに現抜かしながら高師直を油断させて討ち入りする、という話。
ただ討ち入りは割とあっさりしている。
メイン(?)は討ち入りじゃなかったようだ。
何組か愛し合う夫婦・カップルが居て、お互いを想い合ったり周りが二人の事を慮ったりするが故にすれ違う。
浄瑠璃・歌舞伎で観てた人達はめっちゃきゅんきゅんしてたんだろうな。
自分が知ってた忠臣蔵は、其のきゅんきゅん要素が無いとこだけだった。
フルで読んで良かった。