社会学的ラブソング・改

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平成怪奇小説傑作集1

怒髪@大阪行かなかったので、悪い事が起こるらしいです、うんこ踏むとか。
それもどうかと思うので、昨日は「他にやる事あんねんけどなー」と一日掛けて本読んでた。

「平成怪奇小説傑作集1」(東雅夫・編/創元推理文庫)読んだ。

平成怪奇小説傑作集1 (創元推理文庫)

平成怪奇小説傑作集1 (創元推理文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2019/07/20
  • メディア: 文庫
平成の最初の10年に発表された作品。多分「布団部屋」(宮部みゆき)は読んでると思う。
ベルリンの壁天安門事件湾岸戦争もこの頃だ。
1995年の出来事(敢えて具体的には挙げない)やその後の猟奇的事件の影響をモロに受けたっぽいのは無い。
角川ホラー文庫が出てきたのもこの頃。
そういえば「死国」とか読んでた。「リング」は怖いけど気になる・・・って読み損ねたままだ。

以下、軽くネタバレあり。
何となく「こうなるだろ」と解りつつも楽しく読めたからネタバレしても大丈夫かとは思うが、気になる人は後日。

全部面白かった。
当時の時代背景を踏まえて書かれた、と言う程にはそういったものが明らかに反映されている訳ではない(時代物もあるし)、ベースにあるんだろうけど時代を問わない普遍的というか”いつの時代の物語でもありますよ”という感じ。
しかし幅広い。
怪奇小説”だけにどんよりと終わる。その”どんより”具合が時代を表しているように思える。
ノストラダムスの大予言を信じちゃってる訳じゃないけど何となく影響受けてて様様な事件・事故・災害で「どうせ世界は滅亡するんでしょ」っていう、令和を迎えた今とは違う恐怖・閉塞感があるような。
特に印象に残ってる作品。
・角の家/日影丈吉
三角形の小さな土地に立てられた家と其処に住み始めた人の物語を、近所に住む人の目線から。
「どんな人が住んでるんだろう?」と気になるのは分かるし、想像力をかき立てるようなミステリアスな人達である。
想像力ありすぎて、おもろい。そこまで発想、いや妄想するのか、と。
妄想しちゃうけど害は無い(おもろい)、だからご主人は正体明かしてくれたんかな。
ご近所さんが気になっちゃうとこで何となくスガシカオ「正義の味方」思い出したんだが、「たまにはみかんも食う」のだろうか。
・お供え/吉田知子
何もないとこにお花を供えていると・・・てな話はあるが、その先(?)までいくのか。
何でそうなったんだろう。
読んでる時は「死んだのが分からない人なのか」と思ったのだが、ちょっと違う気もする。
・百物語/北村薫
百ではないとはいえ語り終えると何かが起こるんだろう・・・って其処?其処なん?どうなってまうん。
千日手松浦寿輝
たまたま深夜に見つけた将棋倶楽部での話。
将棋打ってるのは生きてる人ばっかりじゃないんだろうなーとは思っていた。
永遠に将棋という好きな事が出来る・・・のだとしても辛い。
・静かな黄昏の国/篠田節子
環境も経済もめためたになってしまって真っ当に暮らせなくなった近未来の日本の話。
まだこの頃は酸性雨がどうとか言ってたか。
金婚式を過ぎたご夫婦が終の住みかとして移住した先、確かに合成ではない食料、生鮮野菜が食べられるし本物の木の家に住める、人間らしい晩年を送り安楽死させてくれる・・・のだが。
”ムツ”の辺りで解る人は解るかもしれない。
解説で福島の原発事故に触れられているが、原子力関連でもこの頃と今とでちょっと違ってきてるのかもなぁ。
この怖さ具合や内容が平成初期のあの感じだよなー、と思った。
怪奇小説なのか?とは少し思ったが、少なくとも「傑作集1」の中で一番怖い。

「角の家」が「家――魔象」(霜島ケイ)と同じ本に収録されているのもすごい因果だ。
霜島さんの家については加門七海さん視点で読んだ事がある。ぞーっとした。

全く知らなかった作家の他の作品を読みたくなった。
篠田さんは他の作品も読んでるけど、他のん読みたい。しかししんどい。精神的に丈夫になったら読みたい。
あと「日本怪奇小説傑作集」も気になる。
「怪談徒然草」は親が処分したり本自体の意思で失踪してなければ、多分実家にある筈。これも読み直したい。