社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないので、はてブボタンは設置してません。

虚実妖怪百物語序破急合本版

「虚実妖怪百物語 序/破/急(合本版)」(京極夏彦/角川文庫)読んだ。
物理的にも文章的にも圧倒的な“京極夏彦読んでる感”ッ!此れを待っていたッ!
惜しむらくは序破急合本版だと表紙の1体1体ずつの姿が解りにくい。表紙も合本なの。
學天則はちゃんと見たかった。
悩んだんだ・・・序破急の表紙より厚みを選んでしまったのだ。
破の「京極夏彦」登場、てな帯も面白かったんだけどな。序には出て来んのかーい!
あといつもの癖で読んでる途中で解説読もうとして、オーラスのネタバレ食らってしまった。合本版に解説はナイ。

妖怪や目に見えないモノが消え・・・た筈が妖怪がわんさか登場、しかしそういうモノの愛好家・研究者が弾圧される世の中に。
背後に魔人・加藤保憲が。
「怪」関係者、妖怪馬鹿、研究者・作家の運命や如何に。
みたいな話だったと思うんですけど、どうなんだろう。
最後「WAになって踊ろう」と「墓石フィーバー」足して圧縮したみたいになってるんですけど。
以下、地味にネタバレしてると思うので、読み終わってからこちらもお読みくださると嬉しいです。
ていうか、読め。5cmあるけど「南極」「豆腐小僧*1」的なノリもあるから楽に読めるぞ。途中は自重で開きっぱで置いておけるし。





水木大先生が「目に見えないモノが、ニッポンから消えてるンデス」と怒ったり、鸚鵡石から小童現れたり、猟奇事件が起きたり、弾圧から貴重な資料を守ろうとしたり、怪異について相談された小説家にしょうけらがついてきたりでどったんばったんおおさわぎ!なんですけども。
一体何人出てくるんだ?あまりに凄すぎて登場人物のまとめサイトまである始末。(勿論オフィではない模様)
「怪」編集部の人や妖怪馬鹿仲間、怪異書く作家は分かる、まさかトヨエツや藤田和日郎まで出てくるとは思わなかったよ。
加藤保憲も、まさか自分を演じた役者が敵側に居るとは思うまい。
木原さんと中山さんの玉砕っぷりも見事である。木原さんの槍の突き方にも意味があったんだなぁ。
妖怪やキャラクターも。「百鬼夜行抄」の青嵐には久しぶりに遭遇した。
學天則も動くし。荒俣さんだけど。ここら辺がまたスカーッとするんだよなぁ。
しょうけらが邪神化するんもわろた。クトゥルフまで出てくるとは。そこから狸。なんでもあり!
読んでる途中にツイッター見たらたまたま黒さんのツイ流れてきたんだけど、思わず「邪神乗っかってる人だ!」と思ってしまった。
RTした東さんも出てくるにょ。
最後は呼ぶ子石(反剋石)で色々呼び出してYAT(Youkai Attack Team)と戦うんだけど、妖怪だけじゃなくて怪獣やらキャラクターやら登場する。
貞子は強かろう・・・。
だから戦い方だって、文字そのままの”戦い”ではない、政府・YAT側をタコ殴りじゃなくて戦意喪失させちゃおう・・・なのである。
裏じゃ加藤が糸引いてダイモンが馬鹿吸っちゃってるし。
てか、知らない人だとどこまで実在する人なんだかわからない。
虚構(フィクション)と現実(ノンフィクション)ぐっちゃぐちゃだし。
でも、そこはしっかり線を引いてある。
だから榎木津礼二郎の子孫の平太郎は、加藤側なんだよね・・・。
で、加藤と荒俣さんが対峙する訳で・・・と思ったら水木大先生がまーるく収めはる。つよい!
最後の最後読んで、ああそうか水木大先生はそうなってしまわれたんだ、と思った。

とはいえそんなに馬鹿ッ話だけではなくて。
現代世相を想うと、サバイバルマニュアル的にも読めるのでは。
どったんばったんはフィクションでも、今の世情の「悪い奴は炎上させてしまえ!叩いてヨシ!」な人々と同じだもの、妖怪憎し消毒だーッ!な人達と。
いずれ言いたい事も言えない、うっかり物言えばお上ではなく一般の人々の総叩きに遭ってしまうことが増えるかもしれない。
とはいえ「死ぬくらいなら捨てる。命が懸かるなら護らない。他人を犠牲にしても自分は犠牲にならない。死んだら可哀相だけど諦める」だからなぁ。
それはそれで強い。
あとは・・・荒俣さんとこか妖怪村に逃げ込めるか、だなぁ。

それにしても、こんなん書き上げたら今後どうなるの。何をお書きになるの。

*1:大好きな豆腐小僧ちゃんと達磨さんも出てくるから嬉しい!