社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

マーダーボット・ダイアリー

「マーダーボット・ダイアリー」(上)(下)(マーサ・ウェルズ、訳:中原尚哉/創元SF文庫)読んだ。

昔大量殺人を行ったがその記憶が無い(自分では理由が解らない)人型警備ユニット、”弊機”の独り言・・・語りである。
警備ユニットであれば指示通り警備するのみだが、自ら統制モジュールをハックしているので”自分”というものがある。
だから”弊機”ってへりくだってるのだろうか。。。
(解説によれば”彼女”らしいが”弊機”という人称がすごくしっくりくる。因みに自分は滝ちゃんで脳内再生余裕だった)
対人恐怖症というかどーも上手く接しないというか厭がってるというか、連続ドラマを観るのが楽しみでフィードに溜め込んだのをこっそり観たり、観て自分の精神状態(?)を維持したりしている。
それが人間達への理解の足しになってる、という。
所属する保険会社がケチってる事呟いたり。
そんな”弊機”がプリザベーション補助隊の警備に当たる所から物語が始まる。
個人的にはこの話がすごく面白くて満足してしまった・・・んで第2話以降読むのが遅れた^^;
初っ端から襲撃されてピンチ!なんだけど”弊機”強い。
ハックもしまくるのでシステム側で目を反らさせておく、なんて技もちょいちょいやる。
プリザベーション補助隊のメンバー、特にメンサー博士はただの警備ユニットだとは思わなくなっている。
その位人間くさくもある。
メンサー博士は”弊機”の身元を引き受けようとする・・・が厭がって旅に出てしまう。
大量殺戮した件で真実を追求しに・・・ではない。
それはあっさり解る。ケチっちゃいけません。
途中強化人間ぽく改造したり、他のボットの死に遭遇したりしながら、最終的にメンサー博士のピンチを救いに行く。
いい話ですな。

内心(中の処理)はどうだか知らないが、挙動として見える部分が人間に近いと、接する人間も”人間”として接したくなるんだろうな。
経験を積む事でどんどんナチュラルになっていくし。
そういえば当人もとい当機の気持ちというのは考えた事なかった。
快不快はあるんよなぁ。

作者のWikipediaによれば続きがあるっぽい。ほほう。