社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

大震災'95

此処んとこ、つい極端かつ物騒な事考えてしまっていけない。

「大震災'95」(小松左京河出文庫)読んだ。

SF作家に拠る阪神・淡路大震災のドキュメンタリー。
当時毎日新聞に連載されていたものらしい。
日本沈没」をお書きになった際に地震について調べて知識も持っておられた、しかし其れでも阪神・淡路大震災のような地震は想像出来なかったそうである。書かれているのは1995年1月17日の朝に何が起こったか、だけではない。
当日の朝何が起こっていたのか、関西のライフライン、TV・ラジオ局で何が起こっていたか、関西だけじゃなく東京でどう報道されたか、そして半年経つ頃には早くも震災の教訓を活かそうとされている。
震度判定や計測のバラつき、更にはどんな機械で地震の震動を観測しているのか、まで遡って。
各研究機関・企業、各分野其其で分析するのではなく、横断的に研究し、記録を残しましょう、という提言をされている。
神戸大学には今でもきちんと記録されてるのかな、継続してるのかな。
市役所や病院等、建物の真ん中の階がグシャッと押し潰されていた原因についての話は初めて知った。
あと地震予知・・・前兆というか地震が起こる前に起こる異常(?)は結構あるらしい。
中国では研究が進んでいたんだとか。今どうなんだろうね。
「帯電エアロゾル説」という話が少し登場する、此れも其の後どうなったんだろう。
PTSDにも触れられている。
直後からの資料を出来る限り集めて御覧になっているし、実際に被災した街に訪れて見ておられる。
其れだけでも衝撃は大きいだろうに、思い出の街が信じられない形で破壊されてるもんな・・・小松さん御自身が病んでもおかしくない。
震災俳句、というのも初めて知ったかも。
俳句として記憶が残されているのだ。

糾弾するのではなく、冷静に書き残すような、其れでいて情感溢れる文章である。
読んでいて刺さる、染みる。
追体験するような、つい当時を思い出してしんどくなるけど、なり過ぎない。いい塩梅。
色んな記事や記録、体験談を読んではいるけれど、其の何れとも違う。
小松左京さんがいらっしゃって良かった、震災は起きないで欲しかったけども。
色んな立場の人に読まれて欲しい。
マイメンには貸すので興味ある人は連絡クレクレ。
(ほんとは差し上げたいけども・・・)

読みながら振り返ると、教訓がちゃんと活かされている所もあれば、「此処が改善されてたらよいな」という点が幾つか。

MBSは当時リアルタイム聴いてた筈だが川村龍一さんがレポートされていた記憶無かった、落ち着いて聴いてらんなかったからか。
普段の番組やってなかったのと、震度確認しようにも大阪、姫路しかやってなくて「神戸の震度無いのやーねー」って其其の震度から想像してたのは覚えている。
というか、何が起こったのか全然知らなかった。
揺れだって5分、いや20分くらい続いてると思ってた。
「たった10秒間」って、そんな短かったの!
ヘリ空撮の人が倒壊した高速道路を見た時どんな気持ちだったんだろう。
電気復活したからTV観ようって付けたら其の映像だった。
団地が倒れてるのかと思った。
小銭掻き集めて公衆電話、というのはうちのオカンがやってた。
パート先に電話してた。
(今思うと被害の大きかった町にあったんだけど)
10円玉で満杯になってた、ってそうだろなぁ。
他に連絡手段無かったし、順番待ちでなかなか帰ってこなかった。

解説、「もっと怒りを、というのは無理な頼みだろうか」って言われても当事者はしんどいのよ最相さんさぁ。
不安を怒りにする事は出来るし、怒る事で気持ちの落し所が出来るかもしれない、だけど訳わかんない出来事に遭遇してる最中に其れはしんどいよ。
被害のめちゃくちゃ少なかった自分ですら捨て鉢だったもん。

どうでもいいニュース:
ほんとはもうちょっとちゃんと書こうと思っていた、しかし読み終わる頃に選挙のごったごたがあって荒れ散らかしていて、とっ散らかってしまった。
落ち着いたらもう一度読み直す。

もっとどうでもいいニュース:
神戸新聞の記事、アンケート結果紹介にたまーに自分のコメントが載っててびびる。