社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

カタリゴト 帝都宵闇伝奇譚

先読みゲラ晒したり色々やってた古本屋の話題見て「古本屋がゲラ持ってんの何でだろう、という素朴な疑問。感想コメント下さい、の為でも無さそうに見えるし」って呟いたら、件の古本屋から「最近は新刊を扱う古本屋が増えている」とリプあったんだけど、
知ってる!
ただ其のテの古本屋って分からなかっただけで。
(ツイ追っても擁護するお仲間ツイのRTばっかりだったからさ・・・)

「カタリゴト 帝都宵闇伝奇譚」(柴田勝家角川ホラー文庫)読んだ。

多分「サニーサイド of 柴田勝家」の方。
大正ゾンビ奇譚、ムカデ伯爵と消えたバスガール、黄金幽霊の首、当世巌窟王・・・章タイトルだけで唆られる。
しかも其の謎を解く、カタるのが華族出身のハードボイルドに憧れる探偵に謎めいた美しい年少浪曲師。
めっちゃええコンビやん。
自分だって浪曲師・湖月のファンになりそう、平島の惹かれっぷりもなんか微笑ましい。
探偵の元に寄せられた依頼と謎、其其が最後の”華族殺し”の謎解きに繋がっていくのが面白い。
ミステリーとして楽しめるけど、あんまりがっつりガチガチのミステリーでは無いと思うので、謎に触れていく平島達(バスガールがちょうかわいい!方太郎もなんかかわいい!)の一部始終と湖月が如何にキーワードを繋いで物語をカタっていくかを楽しんだら良いんじゃないだろうか。
え、其処?其処からそうなるの?と。
実は湖月にも企みがあって平島含めて嵌めていくのかしらん、と思って読んでいたが、其れはまた今度~なのかな。
(変な本の読み過ぎ)

兎に角、此の世界観を堪能するよろし、カタリに浸るよろし。

個人的には女子の口調がすごくチャーミングで「想像する大正乙女」であった。
ちょいと声高めできゅるっとした感じで話してそうな。
話はもうちょっとおどろおどろしいのを期待してたかも・・・「ヒト夜の永い夢」的な。あれは昭和初期だ。
此れホラー文庫で良かったのかね。
角川文庫で十分良かったんじゃないかね。
「地獄くらやみ花もなき」等でも思ったけど、基準は何なんだろう。

どうでもいいニュース:
もし実写化したら湖月は女性が演じるんだろうな・・・。