社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

ギケイキ 千年の流転

「ギケイキ 千年の流転」(町田康河出文庫)読んだ。

義経記」、源義経が鞍馬で育って奥州行ったりまた京都に戻ってきて鬼一法眼のとこで「六韜」盗み見て学んだり弁慶に出会ったりする話。
意外とマイルドである。
バイオレンスあるしやるこたぁやってるしえげつないっちゃあえげつない。
でももっとえぐいと思ってた。
・・・て、一体、町田康に何を求めているのか。
弁慶の書写山の下りみたいなノリだよ!
面白かったのは義経と出会うとこからしか知らなかったのもあるかもしれない。

とか言いつつ、全体を通じてテンポ感、ノリ、グルーヴ、フリーダムさがめっちゃ良かった。
無茶苦茶な中に「戦いにおいて武士はいつだって現実主義だ」「そのうえでのファッションだ。評判だ。」「後の世の武士道などというものは私から言わせれば泰平の世のたわごとだ。」(いずれもp.66)みたいなマジな下りもあるのがピリリと効いている。
”読む”以外の”聴く”楽しみもあるかもしれない。
書き方として義経が自分の人生を振り返りながらポポーンと語ってる感じがするので、脳内再生だけでも十分楽しい。
「千年の流転」ってアレか、千年を経て流転した先で「ハルク判官」て語ってはるんかな。

しかしえーらいええとこで終わる。
物語は其処からちゃうん!
TVで演る講談か!
「此のお話は此処からが益益面白くなるのですが、丁度お時間となりました。此の続きはまた次回」みたいな。
続き出るんかな、出て欲しいな、読みたいな。
敢えて此処までなんかも知れん、だとしてもやっぱり続きが気になる。