社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

SELDOM-ILLEGAL 時には、違法

先日の岸田さんの本のエントリについてブコメで「いつに増して熱量のある書評」と仰って頂いて「あらー意外ー」ってちょっと気恥しい。
時間掛けて書いてはいるけど、そう仰って頂ける程力を入れて書いてなかったもんで。
面白い、いい本である事に間違いは無いです。

「SELDOM-ILLEGAL 時には、違法」(坂本龍一/角川文庫)読んだ。

1989年頃の坂本龍一のエッセイ、語り下ろしかな。
中坊の頃に「ありがてえありがてえ」って読んでた。
AKIさんとは誰だ?と思って読んでたが、「音楽は自由にする」で解った。
MONOSHIGOTOは自分の奥底にある・・・筈なんだけど、「喪の仕事」という概念についてだけ覚えていた。
病理学・病析学方面の話が出ていたのはすっかり忘れていた。
此の章だけで1冊以上本作れたんじゃないかな、というか読みたかった。
柿の種見る度に「ぼくの脳はカキノタネなんです」って仰ってたの思い出しそうだ。
未だに丼食べる時に坂本龍一が「ニューヨーカーだから」って仰ってたの思い出す位なんで。
此れはどっかのTV番組で話してたんだっけか、「世界のサカモトが親子丼食べるの!?」って言われて「ニューヨーカーだから」って返してたような。
せっかち、待てないそうである。
「ニューヨーカーで待てない」って話は此の本にもあった。

「音楽は自由にする」「skmt 坂本龍一とは誰か」を読んだ後に此れを読むと、アモルファスがうんたらかんたらと言いつつも何だかんだで“一貫”している。
「お互いにどこにいるか全然わからないんだけど、とにかく即座に通信はできるようになる」「デジタルにダイレクトに送るようなニューメディアになるだろう」等、時代を先取りしていた。
アーティストがお金の流れをたまに入れとかなければならない、とか。
後後、実際にそういう活動してはりましたし。
でも「都会の中にいても隠遁ができる」とはならなかったような。

世界各国の話も成程なぁと思う一方、中国に関してはどうなんだろう。
天安門事件の頃だったか、此の本(の親本)が出たの。
権力だけどんどん変わっていって下は変わってない、人は国・体制とかあんまり信じてなくて、信じてない人民を管理するのに恐怖政治・・・今でもそうなんだろうか。
結局何回繰り返しても続かないって歴史が語ってるような気が、でも懲りないんだろうなァ。
中国に限らず、ね。

其れにしてもめっちゃ何か溢してる、一体何をやらかしたんだ過去の自分よ。

実家から引き揚げた時、他の本は何ともなかったので、多分大学生の頃にやらかしたんではないだろうか。
「音楽論講義」の試験で引き合いに出して講師disった時。
「音楽に関する本を読んで何か書け」って試験だったからさぁ。
此の本自体は恐らく自分が買った本の中で一番古いと思う、本自体は後後買った難波弘之の短編集が一番古い。
難波さんのはバーコードとか付いてない時代だもん。
此の本は付いてる。

薄いとはいえ1冊390円って、びつくり。
角川文庫の裏表紙は真っ白で、サイン貰う用にそうなってるんだと思ってた。
でも実際には本扉に貰うよね、何で真っ白だったんだろう。

どうでもいいニュース:
「GNYOTAI NO SHINPI」・・・ぐんよーたいのしんぴ?
・・・女体の神秘、か。
大人になって気づく事もある(笑)