社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

高橋幸宏 多才なロマンティストの軌跡

高橋幸宏という人を知ったのは、「CDでーた」のライブアルバムのディスクレビューだった。
ふーん、と思った後でYMOを知り、「ドラマーの人が歌ってはるん!」と驚いた。
例によって幸宏さんの歌もラジオで聴いてた。
ベスト盤めっちゃ聴いた。

よく「無人島に1枚持っていくなら」という質問があるけれど、多分自分が持っていくとしたら此のベスト盤だと思う。
どうだ意外だろう。
声も含めて音が凄く優しくて好き。
爛れてない大人の恋愛に憧れたものです。
そして「LEFT BANK」の「最強の敵は 自分の中にいる 最高の神も 自分の中にいるはず」を心の支えにしている・・・って鈴木慶一作詞やん。
「最高の神」が「はず」なとこが、また良い。
「空気吸うだけ」「1%の関係」「神を忘れて、祝へよ X'mas time」等、歌詞が好きな曲って鈴木さんや森さんの詞なのだった。
最後のサビだけ違うとこが好き。
生で幸宏さん観たのはMETA FIVEが最初で最後になってしまった。
sociologicls-acv.hatenadiary.jp
幸宏さんのドラムがエモかったのはよく覚えている。
YMOが無理でも、ソロの幸宏さんを生で観たかった。

ミュージック・マガジン増刊 高橋幸宏 多才なロマンティストの軌跡」(ミュージックマガジン)読んだ。

自分の知らない幸宏さんが沢山いらっしゃった。
日本のロック・ポップスの歴史の一面を追うような一冊だった。
サディスティックス矢沢永吉のバックバンドしはったんも知らなかった。
YMOの内容がめたくそ濃い。
サディスティック・ミカ・バンドもMETA FIVEもどのバンドもどの活動も濃いのだけど、辛うじてYMOだけ其の濃さが解る。
意外とロックな方やってんな。
20世紀少年最終章」に出てはったん、知らんかった。
凄くフレキシブルな方だったんだな、と読んでいたらpupaのインタビューで堀江さんが「幸宏さんっていつも”今”ですよね。そこが凄いところですよ。」って仰ってて、成程と思った。

1989年のサディスティック・ミカ・バンドのインタビューでライターの人が地の文で

 若者マーケットは肥大したが、井の中の蛙のような閉鎖的な状態だ。音楽が社会変革のバロメーターに見えたかつてとちがって、社会の中の音楽の位置の地盤沈下は、かえってすすんでいるのではないだろうか。(p.125)

と書いてるんだけど、音楽を取り巻く問題、扱われ方って、当時と令和の今とであんまり変わらなさそうである。
今だったら「閉鎖的な状態だウンタラカンタラ、つまりサブスク解禁しろ」で済ます人おるんやろうけど。

ところで「中国女」のギター、高中正義やったん!
鮎川誠だと思ってた。
よく考えたら時期が違う。

どうでもいいけど個人的に大事なニュース:
ストーンズの「ブラウン・シュガー」聴いてみよう。