社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

アンソロジー 死神

某着物イベントのポスターが物議醸してるが、左前をOKとするのは流石によくないと思う。
「ファッションに決まりごとはなく、着物は、もっと自由にコーディネイトしていいと思っています。」と説明してるらしいが、「自由」と「何でもあり」は違う。
何で死人の着物が左前か、というのも「喪の忌では日常と分ける為に普段と逆の事をする」為だっけ。
其れは文化が違う人が着るにしても其処んとこは理解して頂きたい、日本にはそういう文化があるんですよって。
「文化の盗用」については煩い時代なのに。
(其れもどうかとは思うが・・・別の問題ではあるし)

「アンソロジー 死神」(東雅夫・編/角川ソフィア文庫)読んだ。

物騒なアンソロジーである。
小山内薫のエピソードを東さんのツイで知って興味を持った。
知りたい方はあとがきをお読みになるとよい。

水木しげるで始まって、落語にグリム童話、文豪の短編等色々、トリはつのだじろう
ガチの死神から比喩的な死神迄。
三遊亭円朝の「死神」!
落語の「死神」、バリエーションあるんやね。
柳家小三治の「死神」も収録されてて、テンポ感が全然違う。
どちらにも「豆腐の角に〜」の下りがある、大事な要素なんかな。
此の死神の話はグリム童話のもあるのだそうだ(グリム童話では「豆腐の角に〜」の下りはない)、こちらもバリエーションあって、病人のどちらに死神が立つのかの逆パターンもある、というのが面白い。
コケカキイキイも読んだ事なかったな
武者小路実篤の「死神という少女」美しい。
こういう機会に武者小路実篤が読める、有難い事である。

上↑の小山内薫のエピソードというのが「色の褪めた女」。
其の前の「背の高い女」読んでて思ったが、”背の高い女”というのは洋の東西問わず”異形の者”みたいな扱いなんだろうか。
八尺様も背が高い。