社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

あめだま 青蛙モノノケ語り

昨年末「怪談年賀状」という企画があったのでツイート投稿した。


(匂わせブックカバーには誰もツッコまず)
で、見落としていたのだが「北海道怪談」については著者ご厚意で図書カードのプレゼントがあった。
年賀状は届かなかったが、こちらに当選した。
何と北海道のお土産まで!

ありがとうございます。なまらめんこい。
折角なので頂いた図書カードで未だ読めてない田辺さんの本を買おう。

という事で。
「あめだま」(田辺青蛙青土社)読んだ。

美しくて怖い、掌編が60話収録されている。
てのひら怪談」に収録されていた作品もある、という事は恐らく初めて読んだ田辺さんの作品も収録されていると思う。
小筆でさらさらっと描いた瞬間にふわっと色が灯る。
あゝ幻想的な世界が・・・と思ったらがっつりホラーだったりグロかったりなまめかしかったり。
繋がっているような繋がっていないような。
最後の一言でがらっと認識が変わったり。
こういうのが読みたかった。
掌編という事で長くても3ページ位、此の長さが丁度良い。

特に好きな話。
・恨み雛
恨み雛を残すに至った物語があるんだろう、でも其れを敢えて書かなくて、お祖父さんの言葉と笑顔から色々想像してしまう。
何が正解かは解らないし解らなくていい、ただそういう想像する余裕、余韻があるのがええなぁ、と。
・蓮詣で
此れもそうなるに至った物語があるんだろう。
夢の中だけでも叶っていて欲しい、というのが怖くて優しい。
蓮というのがまた良い。
・蜘蛛桜
もし何か朗読するような機会があったら、此の話を朗読したい。

こうして挙げてみると、自分が好きな話は描写があんまり細か過ぎない、なのにふうわりと淡い色みの絵が浮かぶ話なのかもしれない。