社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

ifの世界線 改変歴史SFアンソロジー

昨日「うさぎとかめ」にせっちゃんが出てきてオズワルド畠中の曲演ったりしてて思わずタグ付けてツイートしたら草彅ファンらしき人々の反応がわらわらと。


怖い。
RT・イイネが怖いんじゃなくて、デフォルトアイコンのままの人、デフォルトアイコン+ツイ無しの人、アイコンすごいどアップの人、なんか(政治的に)偏ってる人・・・等。
RT内容が他人からどう見えてるか知る良い機会にはなった。
「剛くんに失礼!」みたいな人は無さそうで、其れはちょっと安心した。
しかし草彅くんには触れてないのに何らかの文脈を読み取っているようなのが面白い。

「ifの世界線 改変歴史SFアンソロジー」(石川宗生、小川一水、斜線堂有紀、伴名練、宮内悠介/講談社タイガ)読んだ。

帯に「5人のSF作家が語る”偽史”」とある。
参加作家見て「間違いない」と思って読んだ。
確かに間違いない、但しごっついトンチキの「ほんまSFって何でもアリやな」というのは無かった。
なのでとっつき易いと思う。

・うたう蜘蛛/石川宗生
死ぬ迄踊り続ける奇病タランティズムが蔓延するイタリアの話。
パラケルススは20世紀後半に来たって事か。
踊るのに音楽は必要、という事で音楽SFでもある。
罹患者の歌が気になる。
Hey Jude」は分かった、わろた。
全部分かる人あるんやろな。周りの洋楽スキーに片っ端から朗読させて「解る?」って聞いてみたい。
・パニック――一九六五年のSNS/宮内悠介
1965年に起きた世界初のSNS炎上事件。炎上したのは開高健
其の当時のコンピュータ・SNSの状況を解説しつつ、何故炎上したかを追うルポタージュなのかな。
其の真相、結構えぐい。
でも”あるある”なのかも・・・歴史が改変しても人間は改変せえへんって事か。
・一一六二年のlovin' life/斜線堂有紀
和歌を”詠語”で”詠訳”する時代の歌人と女房の話。
歌人は素晴らしい和歌を詠むけど”詠訳”が苦手、詠語が得意な女房は彼女の才能を見抜く。
LOVEやね。
こういう改変SFもアリなんだな。
・大江戸石廓突破仕留(おおえどいしのくるわをつきやぶりしとめる)/小川一水
巨大な石壁「大廓」に囲まれた江戸、其の江戸に水を供給する玉川上水を守る青年の話。
正統派な歴史改変SFという感じ。
時代物としても面白いし、SFとしても面白い。
玉川上水だけに太宰治が出てくるかと思った。
・二〇〇〇一周目のジャンヌ/伴名練
目覚める度に何度も火刑当日からの人生を繰り返すジャンヌ・ダルクの話。記憶を持ったまま。
どゆこと?なんで?
其の理由も行われていた事も結構酷い、でもジャンヌは何度も生き返す。
酷いんだけど、最後は伴名さんらしい、いい”最期”だった。たぶん。