社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

ぐるぐるまわるすべり台

昼夜の気温差に振り回される今日此の頃。
敷きパッドはひんやりではなく普通のやつに替えて大丈夫かと思うが、おふとんを出すかどうか思案中。

「ぐるぐるまわるすべり台」(中村航/文春文庫)読んだ。

大学を中退して塾講師しながらバンドメンバー募集掛ける表題作と、其のバンドメンバー募集で出会ったドラム&ギターの「月に吠える」。
・・・と言うと雑すぎる。
「ぐるぐる~」は不登校の個性的な子の話が絡んでくるし、「月に~」はQCサークルの話が絡んでくる。
いい感じに先が読めない。
カジュアルで分かりやすい純文学的な・・・って芥川賞の候補になってたのか。
どちらも、ドラムのチバがいいキャラしとる。
ギタリストっていうのは職業でドラマーは「自由人とか表現者とか求道者とか読書人とか、そういういうのと並列な気がする」って、めっちゃ分かる。
此の本、お勧めして貸して貰ってよかった。
恐らく粗筋のメンバー募集で「あー」ってなって終わってたと思う。
そんなの勿体無い。
以下軽くネタバレあり。





で、「ぐるぐる~」はまさか・・・と思ったら、其の”まさか”だった。
そういえば「当方ボーカル」とは書いてなくて、勝手に小林がボーカルするんだと思って読んでしまった。
(もしかしたら叙述トリック的なオチがあったりする?とは思った)
集まっちゃったもんは仕方ない・・・のか?
よく考えたら、別にメン募出した人が其のバンドに参加するとは限らないよね。
シリーズらしいので、そちらも併せて読むと「こいつならやりかねん」と思うのかもしんない。
解説の桜井さんはツインボーカルだとお考えのようだが。
メン募して合わせてみる曲、其の詳細まで決めているのに、実際に音を鳴らすシーンは描かれていない。
チバが日常の中でリズム取ったりする程度で。
でも凄くロックである、渋めのロックが聴こえる、見える気がする。
面白いな。
会話のグルーヴも良いぞ。
もしかしたらバンド活動を扱う小説って下手に演奏シーンを文章化しない方が生生しくなるのかもな、と思う。

ヘルター・スケルター」ってそういう意味やったんや。ぐるぐるまわるすべり台。

どうでもいいニュース:
なんでジャパメタお断りやねん、ジャパメタにも色々あるだろ!って思ったが、募集主にも色々あったのかもしんない。