社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

怪談狩り 山の足音

セルフ地鎮祭なるものが話題になっている。
お子様がお米投げるのがかわいい〜って、其れならやらない方がマシ、でもない。おっかない。
神様が「あら〜かわいい子」と仰るかは分からないし、其れは其れでちょっと怖い。
セルフ地鎮祭で怪異が〜なんて厭やな、なんて他人事のように考えてしまう。
・・・と、よく見たら怪談屋さん反応してはった。

「怪談狩り 山の足音」(中山市朗/角川ホラー文庫)読んだ。

8月の恒例行事、中山さんの「怪談狩り」。
初っ端から謎にじわじわ肝が冷える話。
そして容赦ない話も・・・特に後半の数話、本当に容赦ない。
(というか「サッシあかんで、木のままにするんやで」とは伝わってなかったのか・・・)
一方、寝過ごしたのを起こしてくれる女性、幽霊もトイレに行くんかな?な話、ほのぼのする話等。
「起こす女」はもしかして神様的な存在?と思った。
集落の平和の為に日常の困っちゃうよ?な事も助けてくださるような。
ほのぼのっとした話は却って生生しくも感じられる。
此のシリーズ、しずしずとしたかなしみが見えるのは気のせいだろうか。

印象に残った話
・泥人形
御両親は同じ場所の違う次元にいらっしゃったのかもなぁ、そして御子さんの為に大切な品を探してはったんかもなぁ。
・おじいちゃん
そういえば自分の祖父も息子・娘夫婦や孫の仕事(学校もかな?)に影響ない日に亡くなったなぁ・・・って浸ってたら最後!
・萌えない?
つよつよ。
萌えってこういう時にも強いのかもなぁ。

コロナ感染、入院に纏わる話もある。
新コロ以降の怪談(マスクしてる霊とか)はちらほら見かけるけど、コロナ感染レポでもある怪談。
話し主に後遺症が無ければよいが。
お元気だから話してはるんやと思うけど。
「死神が人を生かすこともある」というのは初めて知った。
前段の話も含め、良い意味で”見込まれた”のだろうか。
そして怪談という形で時代の空気が伝えられ、残されていくのかも。
「死神」~「入院」は怪談に興味無いという人にも読まれて欲しい。