社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

麻倉玲一は信頼できない語り手

FitBoxing2の「恋」「Romanticが止まらない」はテンポ速めの方がしっくり来る、そして効く。

「麻倉玲一は信頼できない語り手」(太田忠司/徳間文庫)読んだ。

死刑が廃止されてから28年、三河湾の離島に収監されている日本に生存する最後の死刑囚・麻倉玲一にフリーライターが取材するよー、という話。
リゾートホテルだった所を改修して民間の刑務所にしてあるのだ。
麻倉玲一は「人の命をジャッジする」と言う、次次語られる殺人も「生の檻から解放する」「正しい道に送り出す」・・・サイコだなぁ。
刑務所の職員も何か訳がありそう・・・!?
以下、ネタバレあり。





多分最後にひっくり返して「実は・・・」なんだろうな、其処迄するん?・・・って、矢ッ張り!
レーザーが嘘臭いなぁとは思っていた。
麻倉玲一が何人おるねん、とちょっと考えたけど、流石に其処まではトンチキじゃなかった。
何もわざわざ其処までしなくていいだろという大掛かりなトリックなのはミステリーあるある、かも。
其其の復讐も出来たし悪い奴は金ふんだくられて捕まってるだけじゃなくモラトリアムばりばりな主人公に釘まで刺してる。
殺人に纏わる”物語”用意したの誰だろう、上手いよなぁ。
「最後の死刑囚」とはそういう事か、麻倉玲一は死ぬまで死刑囚。

解説では「ミステリファン大好きなクローズドサークル、こういうの慣れてるかもだけど”慣れ”の入り込む余地は皆無」的な事が書かれているけど、ぶっちゃけ”慣れ”てる人なら前半でアタリ付いてると思う。
其れでも、解ってても「面白い」「そうきたか!」ってのが此の作品の凄さなんじゃないかな。
少少無理ちゃうん?何でやねん!な、”完璧だけど完璧過ぎない”とこがあるのがまた良いのだ。
人間はツッコミ入れたい生き物である。(主語でかい)
「どうだ完璧だろう!」が過ぎるとちょっと面白くない。

どうでもいいニュース:
「信長島の惨劇」も三河湾にある島で起こっている。
三河湾、ミステリー的に何かあるんだろうか。。。