社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

着物憑き

起床に失敗、久しぶりにきつめの頭痛。
無理矢理バファリン飲んで横になっていたら落ち着いたが今日は使い物にならない。

「着物憑き」(加門七海集英社)読んだ。

着物に纏わる怪異・・・なんだけど、加門さんの着物への思いが満載である。
怪談期待すると「あれ?」ってなるかも。
着物エッセイとして読んだ。
着物の話だけど、加門さんだから怪異も不思議な話もいっぱいありますわな、という。
帯留」の話はドキドキしながら読んだ。
モノに対する想いを理解し、丁重に受け止めてくれる人を”呼んで”たのかもなぁ。
単に「こういうの好き」じゃなくて、覚悟もちゃんと持ってるような人。
もしかすると、”其の時”が来たら、鮎の帯留に相応しい着物・帯が加門さんの所に呼び寄せられるのかも。

着物が着る人を選ぶ、というのは何となく解るような気がする。
縫う事で想いも込められるだろうし、逆に解く事で想いを開放する事も。
おいそれと洗えるものではないから、念も積もり積もっていくのかな。
縁起のよい柄を纏う事で福を招く、華やかな柄ってそういう意味があったのかー。
季節の先取りに予祝的な意味があるのかも・・・成程。
逆に髑髏や幽霊等死に近いものを裏に身につけて「もう間に合ってます」と退ける、というのは面白いと思った。

東西の着物・襦袢の仕立てや下駄の違いというのは初めて知った。
下駄の鼻緒は奥まで差し込むんじゃない、というのも。足の指で挟む。
曲尺鯨尺で1寸の長さが違うのも初めて知った。

着ないのも勿体ないけれど、此れだけの想いを背負えるもんだろうか・・・。
着た後も大変だしなぁ、と考えてしまう。

ところで、今はめっちゃアレンジして着る方もあるのだそうだが、人間ではなく着物の側から見て、どうなんだろうな。
留袖ドレスはまだ良いような気もするが、たまにごっついアレンジする人おるやん?