社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

すごい言い訳! 漱石の冷や汗、太宰の大ウソ

髪を切りに行って来た。
美容師さんの愛と気合いで伸ばしているので、手間と時間が掛かる。なかなか予約が取れない。
他にも平日にすべき用事はあるし、有休もめたくそ溜まってるから・・・。
ずっと座ってるとお尻が痛くなって辛いので、合間に離れたとこにいる美容師さんのわんこに構って貰う。
(事情により美容師さんの目の届くとこに居た。非常に大人しい)
本持って来てたけど、眠くて落っことしそうに・・・昨日”寝落した”のになぁ。

「すごい言い訳! 漱石の冷や汗、太宰の大ウソ」(中川越/新潮文庫)読んだ。

文豪の様々なシチュエーションでの言い訳を手紙から読んでいく。
なかなかに無茶苦茶でゴイスーな言い訳*1、許されたのは文豪の文章の力、お人柄なんだろうなぁ。
或る意味パンキッシュなエピソードの多い中原中也はやっぱり面白かった。
酒で迷惑掛けたお詫びの手紙が「一人でカーニバルをやってた男」って、許すしかないやん。
芥川龍之介のフィアンセの誤解を解く手紙の「文ちゃんを得る為に戦わなければならないとしたら、僕は誰とでも戦うでしょう そうして勝つまではやめないでしょう」ってめっちゃラブいし、織田作之助の「もはや破れかぶれ、遂に大デブと結婚というはしたなきことになりました」は激しくツンデレというか愛情の裏返しである。
でも自分が奥さんだったらネチネチ言うだろうな・・・
八木重吉もなかなかにラブいが、後世に作品同様に此の手紙が伝わってるのは厭かも。
夏目漱石の奥さんへ文句を伝える手紙は酷いんだけど夫婦間だから通じるんでしょうな。
何故か夏目漱石は1章割かれている。(表紙も漱石だし)
手紙のシチュエーションからして凄い。
「未知の人への面会依頼をへっぴり腰で受け入れた」とか「宛名の誤記の失礼を別の失礼でうまく隠した」とか「不当な苦情に対して巧みに猛烈な反駁を盛り込んだ」とか。

こういう本読んだら、言い訳じゃなくても良い手紙が書けそうである。
早速、6月末で退職される方宛のメッセージを書く事になったので・・・無理無理無理無理
もし自分が送る手紙で「自分事を先へ申すようですが」って書いてたら、「吉川英治の真似してんだなー」と生暖かい目で見守っていただきたい。

どうでもいいニュース:
紹介されているプロフィール見て俄然興味持ったのが直木三十五
「担当した文壇ゴシップ欄が毒舌で話題を呼び、」ってめっちゃ気になる。

*1:もっと酷いのは残ってないのかも