社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

旅書簡集 ゆきあって しあさって

はてなブログの読書カテゴリ見てたら上半身裸の写真が出てくる事がちょいちょいある。
マッチョ目指す読書家さんかー、と見てみたら本の話は無かった、というのが数回。
タグの所為のようだが、あんまり見ていて楽しいもんではないので改善されないもんだろうか。ナムサン!

「旅書簡集 ゆきあって しあさって」(高山羽根子・酉島伝法・倉田タカシ/東京創元社)読んだ。

サイン入りである。

3人の作家が架空の土地を旅して手紙を送り合う。
手紙には写真、スケッチ、旅先で手に入れた品等も添えられている。
3人の旅はどうなるのか、”ゆきあう”のか。

行く先や体験し手紙に書かれる内容が三者三様で、すごく”らしい”ような気がする。
高山さんの旅する土地はご飯が美味しそうだし楽しそう、倉田さんの旅は「ザ・旅」というか各地で色んな体験出来たなーって感じだし、酉島さんはマラリヤには苦しまなくてすむ「人外魔境」のよう・・・すっごい過酷だけどちゃんと次回には新たな土地へ行ける謎の安心感も込みで。
でも鉄道は本気で焦った、泥の町や墜落の町どころじゃなく。
そして何方の旅の記録も、夢のようである。
うっとりして「夢みたい・・・」なんではなく、副反応でだるーい中寝て見る夢のようだ。
高山さんの「ショッピングモール」とか倉田さんの「雨とカーフューの街」とか。
酉島さんのは読んでて魘されそうになったし・・・。
サインに添えて描かれていたのはシュムジュビラかな、読んでる自分もお土産を分けて頂いたような気分である。
(だから泥の町出てからずっと、うぅうぅうぅ・・・って読む羽目になったのか?)
手紙やお土産は3人の間を行き来するけど御本人達は・・・どうなんだろう。
何処かですれ違ってるような気がする、同じ場所の違う次元で。
何となくそう思った、というかそう考える方が楽しいやん。
現に”蟹の人”はあっちゃこっちゃに現れてるし。
あいつは其其の次元繋いでるのかもよ?
郵便配達の人も大変だな。

こういうご時勢なもんで「あー岩手行きたい茨城行きたい広島行きたい」「和歌山電鐵貴志川線乗りたい」「新幹線乗ってスゴイカタイアイス食べたい」「友人を京阪神連れ回したい」と言いながら現実には都道府県境跨ぐのもちょっと勇気が要る。
そんな中、癖の強い土地を旅するお三方の手紙というのはすごく心躍る。
旅行生きづらい時代に「ゆきあって しあさって」を読んで、とんでもない旅に連れて行って貰えてよかった。
めっちゃしんどいけど、本の中だから、体力なくても大丈夫。