社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

復興の書店

またでかい地震が。辛い。
大阪も揺れを感じたって方があったようだ。
朝、目が覚めてすぐ知ってツイ追って、取り急ぎ友人達の無事が確認出来た。良かった。
其れにしても真っ当に表示出来ない上にクソほど広告出してくるTwitterはいい加減何とかしていただきたい。
遡って状況確認しようとして何回ピッコマの広告見た事か。全部通報したしピッコマは絶対利用しねえ。
非常時は広告止められへんのか?

「復興の書店」(稲泉連小学館文庫)読んだ。

東日本大震災で被災して大小の書店の話。
あと取次や地元出版社(荒蝦夷)、本の構成要素として大事な紙・インクを作る会社の話も。
製紙工場が被災したのは知っていたが、インキ工場も被災していたのか・・・。
震災後に閉めざるを得なかった書店もあるし、震災後に町の為に始めた書店もある。

震災直後、大小関係なく書店には沢山のお客さんが来られたそうだ。
地図や住宅・中古車等の情報入手のため、お礼の書き方等生活のため、日常や”普通の時間”や自分一人きりになるため、本・雑誌を求めて来られた。
或いは以前大切にしていた本を取り戻すため。
そんなに大人気だったとは知らなかった。
だが交通網が寸断している、福島の町によっては原発事故の影響で通行自体出来ず、本自体が届かない。
「生きてる本屋も殺す気ですか」と取次に行った方もあったそうだ。
本も生活必需品、無ければ心が死ぬ。
本というものの在り方についても考えさせられた。
情報を得る為じゃなく、日常を失わない為にも必要なんだ。

神戸の本屋との繋がりにも触れられており、此の本ではジュンク堂が登場している。
サンパルのジュンク堂はいち早く営業再開し、其の準備中も参考書や地図を求める方がお店に来ていたそうだ。
「本屋というのは神社の大木みたいなもの、伐られてしまって初めてそこにどれだけ大事なものがあったかが分かる」とはジュンク堂の会長さんの談。
従業員それぞれが目的を持つように、というのも阪神淡路大震災を経験されての事だろうと思う。
此の本に登場する東北の書店の方々も、皆さんそれぞれが意識/無意識問わず”目的”を見つけて行動されていたんだろう。

しかし文庫版が出る頃(2014年)には状況が厳しくなっていた。
辛い。
他に娯楽が出来たり、本だって紙じゃなく電子書籍が普及してきたりしたからか。
ただ、避難する時に電池容量気にしなくて済む紙の本もあればよかった・・・という話も聞く。
無くなってから「書店があれば」ってなっても、どうしようもない。
書店が、紙の本が生き残る為に何が出来るんだろう。

どうでもいいニュース:
真っ当な・・・妙に煽らず寄り添いながらも冷静にお書きになるノンフィクションライターもいらっしゃるのだな。
東日本大震災に関するルポは幾つか読んでいるが、一番冷静で穏やかな、読んでいてほっとする本だった。