社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

病理医ヤンデル先生の医者・病院・病気のリアルな話

時々、火事ではないが消防車来てるのを見かける。
調べてみたら、救急の助っ人として消防車も出動する事もあるんだそうだ。
先日どなたかのエントリでご家族が入院された事を書いておられるのを見たが、最悪ドアや窓ぶち抜いて搬出しなきゃいけないようだし。

「病理医ヤンデル先生の医者・病院・病気のリアルな話」(市原真/だいわ文庫)読んだ。

「おおまじめなひとりごと」をまだ読めてないや・・・と思っていたら文庫版が出た。
すみません、私医者行くの好きです。
不安だけど、非日常だし人間観察のネタたくさんあるし本読めるし。
あんまり深刻な経験してないから、そんな事が言えるんだろう。
今だって、此の本読みながら突然出てくるアヒトさんの「殺・伐!」や”森羅万象生老病死諸行無常向井秀徳”にブファッてなってる。
LOSTAGEも出てくる。
THE BACK HORN・・・は残念ながら出てこなかった。なんでや。

色んな医者があるんだなぁ、腫瘍内科医とか。
ブラックよりホワイトが良いけど、患者の物語・幸せの為ならブラックでも頑張れちゃうのかな。
医療関係者のそういう愛に甘えてよいかは別として。

自分が自分の事をわかってない、って大事な認識だと思う。
お医者さんでも非正規雇用の会社員でも。
わからないから、出来る事があるんだ。

「現代の医療は原則、エビデンスに基づいている」というのは初めて知った。
標準治療というものがあるのは知っていたが。
お医者さんも得手不得手があって、治療のやり方も人それぞれだろうから、やっぱり医者選びは拘るもんなのかと思っていた。
オカンが腰の手術の時にすっごい悩んだのだった。
腰痛治療に定評のある先生にするか、病院自体が良いとこの先生にするか。
普段お世話になってる先生にも相談したが、コレという決め手が無く、色々悩ましかったらしい。
患者の訴えを聞き、理解し、現時点での最高の治療を提案・・・は同じなのだろうけど。
オカンは結局前者を選んでいた。
恐らく”マニアック”な部分にもお詳しい先生なのではないかと考えたんだろうな。

そして「医療はシアターである」と述べられている。
群像劇。
一人芝居ではなく。
あんまり“医療シアター”とは関わらずに済ましたい、でも其れは難しいのかも。
万一、医療シアターの舞台に立たなきゃいけなくなった時には、立ち回り方を知りたい。
情報だけじゃなく味方は沢山いて欲しい。知らないのは確かに怖い。
何事もバランスが大事、其れは医療についてもそうなんだろう。
「群像劇に100%はない」(P.289)
万一の時に知っておれば覚悟できるから、人は興味を持つのかも。
自分は単に“事例集”が好きなだけやけど。
どれだけ的確に取捨選択出来るだろうか。
普段トンチキ医療きらーい!どっかいっちゃえ!って思ってる自分でも、いざ病気が解ったり体傷めたりした際には頼ってしまいそうになるかもしれない。
そういう時に「いかんいかん」と我に返れる為の基礎体力として、なんもない時にこういう本を読んだり真っ当な医療関係者の方のツイを見ておくと良いのかな。
「怒りで発電して平和利用する」ともあったけれど、いざ怒ってる時に平和利用を実行できるか。
此れも読書等でプロトコルを備えておくと良いのかも。

数多のトンチキ医療本の平積みの上に、此の本をそっと置いていきたい。

どうでもいいニュース:
読んでて、つい、前屈していた
(ちゃんと診て貰えよ←去年行った)