社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

華竜の宮

ちょこちょこと大掃除している。
今年は食器棚を拭いて並べ直す事が出来てよかった。
やれやれである。
・・・と、此処で大福茶を買ってない事を思い出す。
とほほ。
毎年一保堂の大福茶を買っているが、今年はもう買いに行けないぞ・・・どうしたものか。

「華竜の宮」(上・下)(上田早夕里/ハヤカワ文庫JA)読んだ。

USJの「ウォーターワールド」観てて「そういえば!」と思い出して読んでいた。
ホットプルームによる海面上昇で陸地が水没した未来の地球。
環境適応しなきゃだからあらゆる生物を人為的に改変しちゃってOK☆
だが環境適応其れ自体だけじゃなく押し寄せてくる人々を殺戮する方向に向かっちゃったり・・・此れが陸上民。
一方で海なら広大にあるから海上都市作ったり海洋生物飼い慣らして寄生して暮らしたり。
こちらはその後人工的に生まれた海上民となる。
陸上民は色んな連合に分かれてすったもんだして落ち着かない、海上民は船団に分かれて助け合いながら暮らしているが謎生物やら病気やらでこちらも安定はしない。
そういう世界での物語が、外交官の青澄、海上民でオサを務めるツキソメを中心に語られていく。
プロローグの時点で凄く面白い。わくわくする。此れでどんぶり飯食えるんちゃうか。

今読むと怖いよねぇ、地震
丁度読み始めた頃に地震続いたもんで。

以下ネタバレあるかも。





人類、特に陸上民はなかなかに自分勝手である。
海上民みたいな生き方が一番良いか。
其れもどうかと思うが・・・お互いに尊重し合う心はある。
割と話が早い!な感じもする。
海上民の暮らし部分が凄く好きだ。面白い。
ほんで陸上民は言う事きかしたいんやろうけども。我儘やねん。
てか、散散改造やらなんやらやって此のザマなのに、まだやるっていうのか・・・後後の影響考える余裕も無いってか。

語り手は誰の目線か。
何故青澄ではなくアシスタント知性体・マキが語るのか。
最後に「うおおー」ってなりました。
知性体のコピーとコピー元の微妙な個性の差が面白い。

タイトルは・・・うむむ。
あんまり”華”っぽくも”竜”っぽくも無いような気がした。
地球上の生物共はわあわあやっとるけど、結局”華竜”と形容できる大自然的な存在の宮・・・手のひらで転がされてちょいと暴れたらお終いな存在でしかないって事か。
続編は「華竜の宮」の後半らへんの出来事っぽい。

と、長編読み切っておいて何なんだが、元になっている短編の「魚舟・獣舟」が良かったなぁ。
切なくって。
此の世界での人々の日常を描いた物語も読みたいなー。