社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

出雲世界紀行ー生きているアジア、神々の祝祭ー

スピの人達、石置いたり塩撒いたりグッズ買ったりしてモノやカタチに拘る癖に、神様や目に見えない存在の事は何だかんだ言いながらどっかいっちゃってるんだよなぁ。

「出雲世界紀行ー生きているアジア、神々の祝祭ー」(野村進新潮文庫)読んだ。

石見神楽の話から、出雲をお参りする人達や水木しげるにフォーカスして出雲の文化について見ていきましょう、というルポ。
「波」で読んでた時は面白かったんだけどなぁ。
京極先生ファンはちょっと面白いかもしれない。
京極先生ご本人や縁のある方々が登場するので。

出雲とバリ島が似ている、東南アジアの文化に通じるモノがある、という話は面白かった。
まぁアジアだもんな・・・だけど出雲に繋がってくるのは意外な感じがする。
“神社ガール”といった取り上げ方は当の女性達が好まない、現状にそぐわなくなっている・・・と言いつつ“神社ガール”と出雲を巡る。
ううむ。
(眼差しがおっさんくさい・・・)
逆に言うと「若い女性に人気だから」といって、ダサピンク的な施策打つと失敗しそう。
男だ女だ関係なく、「こういう面白さがあるよ」ってのを伝えていくのが観光、町おこし必要なんだろうなぁ。
遷宮のルポ、水木さんの描く妖怪達と地元の方々の話をもっとがっつり読みたかった、知りたかった。
何なら石見神楽だけで1冊分くらいあったら。
石見の方々にとっての石見神楽の在り方(ご当地のヒーローでありアイドルであり、心の柱なんだろう)を知る為に前半部分があるんだろう・・・けど長かった。はよ!って。
面白いんですよ、石見神楽の話が。
子供達がお神楽真似たりクリスマスプレゼントに神楽のお面欲しがったり、文化を大切に受け継ぎつつも新しいモノを生み出していったり・・・。
其れで暮らしていけるのも凄いなぁと思った。
ちょっと「零號琴」思い出した。
石見神楽等の出雲の文化が、すうっと飛さんにも繋がっていってるのかもしんない。

あと出雲の不動産広告には敷地やお隣に神様がいらっしゃいますよ、という告知があるのだそうだ。
「出雲怪談」の「水神様」の話をちょっと思い出した。
いざ内見、となった時にどんな神様がいらっしゃるのかもちゃんと告知されるのかな。

こういうノンフィクションの著者の癖って何処まで出るのが良いのだろう。
出すなら全開でお願いしたいかも、である。
中途半端に主観モロ出ししつつ「客観的に分析しますよ」だとなあ・・・。