社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

琉球奇譚 イチジャマの飛び交う家

こないだ友人と東北の方の怪異との距離感(異界が日常と地続きに存在しているので他の地方なら怪異として語られる話を”怖い話”と認識されないという話)がどうのこうのという話をしていて結局人其其(一口に東北と言っても広いし)、怪談だって語る人によって違ってくるだろう、と返した所でふと考えた。
沖縄、どうなん?
東北とはまた違う距離の近さがあるんだろうと思う。

琉球奇譚 イチジャマの飛び交う家」(小原猛/竹書房怪談文庫)読んだ。

前作「マブイグミの呪文」がかなり不穏だったが、今作はほのぼのした話が沢山ある。
蛇の神様を一時的にお預かりする話とか。
神人やユタではない人に預かってくれってのも凄いが、ワイドショーの時間に現れておざぶとんの上にいらっしゃるっていうのも凄い。
其の話は続きがあって、民話みたい。平成・令和の民話。
ちゃんとお迎え出来る方だったから、神様も来はったんやろなぁ。
粗末にするような人のところには一時的にだって行きたくないだろうし。
「差し入れした女」面白い。
其れも差し入れ・・・なのか。オリオンビール欲しくなるね。

タイトルの”イチジャマ”とは生霊の事。
飛ばしたり返したり。
飛ばす位強い想いがあるんだろうけど・・・たまったもんじゃないよなぁ。
おっかない。
そういう時に助けてくれる人がある、というのが沖縄だなぁと思う一方、伝手等無くて出会えてない人もあるんやろか。
助かったからこうして話が出来てるんでしょうし。
まだまだ色んな怪異があるんやろなぁ。