社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

歌と刀の日

今月はお盆休みの都合で1週前倒しで医者に行った。
元々盛況なとこに同じく日付ずらした人が多かったに違いない・・・と早めに行ったら普段より空いてて。
診察も早めに始まったので処方箋片手に医者出たのが診察開始時間より前。
うーむ。
今日は兵庫県立歴史博物館に行きたかったのだった。
外出を控えるべきご時勢だがチケットが勿体無い、行くなら医者に行ったついでというのが一番楽だし出入りが少なくて済むのだ。
早すぎて開館時間より前に着いてしまう。
駅から歩けばいいのだが、暑さ厳しすぎてダウンしそうだし体温チェックでハイスコア出しかねない。
結局バスで行って、開場まで博物館の前で待っていた。
ほぼ貸し切りである。
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現在開催されているのは特別企画展「唱歌西洋音楽がやって来た 明治の音楽と社会」。
幕末に海軍伝習所でオランダ式太鼓が教練されたのがきっかけ、あとキリスト教の伝道活動から伝わった西洋音楽が教育に「唱歌」「奏楽」として取り入れられた。
展示されているのは訓練や教育、音楽に親しむ姿を描いた絵、実際の楽譜や印刷用の版。オルガンや手風琴の現物も。
オルガンが案外小さめ。
”伝える”手段として双六が作られていたのが面白い。
日本的なメロディはヨナ抜き、なので海外留学された方はファとシが上手く歌えなかったそうだ。
ちょいとハネたリズムは”ピョンコ節”と呼ばれていた、というのも面白いな。
七五調とピョンコ節に当てはまれば歌詞を変えて歌えるので沢山歌が出来たそうだよ。
当時の音源が展示室内に流れていて「こんな歌を聴いて、歌ってはってんなぁ」としみじみする。

展示が少なめなのと常設展が改装中で観られないのとで時間がまだまだ空いている。
折角なので姫路市立美術館にも行ってみた。
f:id:sociologicls:20210807224513j:plain博物館前のバス停の場所わかんないから美術館に戻らなあかんし(泣)。
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美術館で開催されているのは「日本の心象 刀剣、風韻、そして海景」展。
「海景」というタイトルに惹かれた。なんとなくfolcaの「海景」思い出しつつ。
不思議な展示で、刀剣と海の絵とインスタレーション
全体的に場内は暗めで、すうっと浮かび上がるように刀剣が展示されている。説明も少な目。
アクリルの台に置かれているが、其のアクリルの陰が刃から零れ落ちる水のようであった。
美しい。
刃にすうっと菊の花が見えるようだ・・・と思ったら、そういう仕様なのだそうだ。
ずーっと観ていたいが、少しずつ人が増えてきたのと、場内に時折聴こえる、何か金属の零れるような音が気になるので先へ行く。
其の先にあったのは、太刀と明珍火箸の風鈴。
火箸は天井から釣られていて、此れが鳴っているように思われる。此れ自体じゃなくても、明珍火箸の音なのは確かなようである。
現在、明珍宗敬氏が神戸新聞の「随想」を書かれていて、どんな音なのかな?と聴いてみたかったので有難い機会であった。
涼しげというより、”邪を祓う”ような、心を美しく正してくれるような、凛とした音。
更に其の先には杉本博司氏の「海景」シリーズ。
モノクロームの海と空。水平線が見える海もあれば、ぼんやり境目が見えない海もある。
日本海の絵が一番好きだと思った。
あまり荒荒しくないなーと観ていったが、全部通して観ると展示されている中で一番荒荒しい。
常設の國富奎三コレクション室も観る。
マティス好き好き!
独りで観るのちょっと寂しかった、友人か家人のような頭ふかふかの人とあーだこーだ観たかった。
ところで「日本の心象 刀剣、風韻、そして海景」展の第3章は?
・・・と思ったら、庭にあった。
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恐らくこの細いアクリルの柱の下にあるスピーカーからランダムに明珍火箸の風鈴の音が聴こえてくる。
綺麗だけど、一組だけ鳴るのが美しいんだろうな・・・とバス停で聴きながら思った。

帰りはループバスに乗れた。
ちっちゃくてレトロなバスなのである。ググってみそ。
文学館から好古園の間の道が細いから、ちっちゃいのかな。出石の街並みをちょっと思い出す。
そういえばどちらもまだ行った事無い。機会があれば。
お城も天守閣まで上がりたかったがバスから眺めるに留める。
代わりに「ああ夢城+歴史のふし穴」でも紹介されていた駅そばキメたった。
チーズ入り。
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