社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

湖畔の愛

たまにライブ行く事を参戦て言うのはどうなん?てな話を見かける。
自分も今朝ラジオで某シンガーソングライターのライブに“参戦”するというメッセージが読まれてるのを聞いて「え?」ってなったが
ただパフォーマンスを観るんじゃない、積極的に参加するんだ!という気持ちを言葉で表現すると“参戦”になるんかなぁ、と。

「湖畔の愛」(町田康新潮文庫)読んだ。“参戦”するような気持ちで。

湖畔の愛(新潮文庫)

湖畔の愛(新潮文庫)

「この世のメドレー」より読みやすい気が。
九界湖の畔にあるホテルで起こるどったんばったんな話。
酉島さんの解説にもあるけど、吉本新喜劇みたいな感じである。
スカ爺は辻本茂雄かなぁ。
ぶわあああうわあああってなるけど、「え、そこ?」だけど、すぽん、と落ち着くとこに落ち着くので読んでいて楽しいし、ほっとする。
素晴らしい文学って、素晴らしい娯楽なんだよな、両立するんだよな。

「雨女」、めっちゃいい話やん。
心から楽しい気分になると大雨が降るという雨女と、彼女を愛しており、彼女の為に九界湖に棲んでいるという龍神に雨女が治るよう祈る男の話。
其処に激しすぎる大雨で生命すらヤバそうな自体に己の事ばっかりなライターやら微妙な学生グループやら絡んでくる。
途中、雨を止ませる為に雨女を罵る為に皆で罵倒するのだけど、その文言が町田さん感ばりばりである。
ゴダイゴの追っかけ」「四日前にコンビニで買った浅漬け」「もらったけどすごく迷惑な千羽鶴」って罵ってるのか何なのかよくわからない。
声出してわろた。
此れが効果あるとは・・・。

そして「湖畔の愛」。
清清しいくらいの愛。
才能ある人を恋愛対象として好きになってしまうが別の才能ある人を見つけるとそちらに走る超美人の大学生と、彼女を巡ってあれやこれやの演劇研究会、元暴力団組長で地元有力者に取り入りたい飲食店経営者、そいつを騙す爺さん・・・。
大野のバンケットルームでの漫談がめたくそ面白そうである。
そして鳥取砂丘に消えた伝説の芸人が現れ・・・って、そこ?
何故気づかなかった。
コナン観てて「被害者も動機もトリックも知らんけど属性的に犯人こいつやろ、ってやっぱり」ってなる人間なのに何故気づかなかった・・・。