社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

三鬼 三島屋変調百物語四之続

年賀状の準備も書き掛けのエントリも進まない。

「三鬼 三島屋変調百物語四之続」(宮部みゆき/角川文庫)読んだ。

三鬼 三島屋変調百物語四之続 (角川文庫)

三鬼 三島屋変調百物語四之続 (角川文庫)

再び重めの話多め。連載先に依るのかな。
同じシリーズでも、本ごとに形態・色が違っていて面白い。
重めだけど、ちょっとほっとする。
逆に和んだ「食客ひだる神」の最後ちょっと「えっ」てなった。ひだる神はそういうとこにもご利益もたらしてたのか。
最後の最後にきゅるっ、とひっくり返るのが多いな。
「三鬼」の”鬼”もまた全ての理不尽・業・悲しみ・・・だけど過去に出てきたそういうやつとは少し違っている気がする。
人間の暗部が実体を持つのではなくて、その存在が暗部を映し出して、人間に突きつける。お前はどうなんだ、と。

このシリーズの魅力は語られる話やその展開だけじゃなくて、語り手おちかの人間関係にもある訳だが。
此処でがらっと変わる。
三島屋の次男・富次郎と貸本屋の勘一が登場する。
そして去る人も・・・。
おちかが泣けるようになってよかった、という事か。悲しいけれど。
実のところそこら辺はネタバレして知ってて、「え、その人と?」となっている。そういうご縁もありますよってか。
しかしお勝さん、結構はっきり言っちゃってるねぇ。嬉しかったのかな。