社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

あなたに褒められたくて

年賀状の準備をしなければ・・・と思いつつ、1日が過ぎて行った。

「あなたに褒められたくて」(高倉健集英社文庫)読んだ。

あなたに褒められたくて (集英社文庫)

あなたに褒められたくて (集英社文庫)

  • 作者:高倉 健
  • 発売日: 1993/08/20
  • メディア: 文庫
薄めの文庫なら500円弱で買えた時代の本だ・・・(遠い目)
無骨でいかつい方だと思っていたが、文章はふうわりと優しい語り口調である。
口述筆記を基に書かれているのかな?と思った。どうなんだろう。
決断してから行動するまでが早い。
南極物語」のオファーを断っていたが、一旦「北極で風に吹かれてこよう」と決めたら監督に「ご一緒させてください」と連絡を取る。
ご先祖である北条氏終焉の地にある供養塔にショックを受けて「慰霊塔を作りたいのですが」と仰る。
(それは「お一人でなさっちゃいけない」「一人でも多くの人からの浄財でできてこそ、供養というものです」と止められたそうだが)
割とぽん、と物買いはる。
すごいなぁ。
映画撮影の時の話も面白い。

認めてくれるから、それぞれの人が、それぞれの場で、よりよいものを求めて、必死で駆け回る。(p.169)

のだそうだ。
例えば雪の大きさだけでも17種類用意されたり、カメラに写るとは限らない所にこだわったりする。
監督・カメラの方は気づいておられるだろうし、健さんだってお気づきだからエッセイに書かれている。
それにしても、高倉健でも「あなたに褒められたくて」と仰るのか。
・・・「あなたに褒められたくて」はお母上について書かれた章の題でもある。
任侠映画等いかつい映画に出ておられても、役者として演じられたものであっても、お母上には心配で心配で仕方なくて、息子は褒められたいもんなんだなぁ。

あと、「幸福の黄色いハンカチ」の北海道ロケ中に山田洋次監督に「愛するということはどういうことでしょうか」と質問された時の

愛するということは、
その人と自分の人生をいとおしく想い、
大切にしていくことだと思います

という言葉も書かれている。
その人も、自分も大切にしなきゃ、なんだな。
相手の為だけ、というのは逆に独りよがりなのかもしれない。

どうでもいいニュース:
しおりが当時のナツイチ、後藤理沙でなつかしー!ってなった。