社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

この気持ちもいつか忘れる(CD付・先行限定版)

ここんとこ半月くらい”新しいTHE BACK HORN、そして夢が叶うファンって素敵!”銀河遊牧民*1稲子vs”美味しくないものは読みたくない”活字中毒稲子で殴り合いしている。
葛藤があるのは作り手だけじゃない、受け手もだ。
誰にも理解されないけれど。

という事で「この気持ちもいつか忘れる」(住野よる/新潮社)の話である。

この気持ちもいつか忘れる CD付・先行限定版

この気持ちもいつか忘れる CD付・先行限定版

何処で予約するのが良いか思案の末、タワレコオンラインで予約。
hontoは告知すぐには予約が出来なかったんで忘れないうちに、と。
したらタワレコは発売日に発送予定・・・だが発送自体が発売日翌日17日、受け取ったのが20日。書籍は遅れるんですかね。
地元の本屋の方が早かった。15日には店先の目立つとこに陳列されてたし。

ちょっとネタバレあります。



連載じゃなく一気読みしたら面白いのでは、と少し考えていたが、単行本で読んでもやっぱり冗長な感じは残っている。かったるい。美味しくない。
THE BACK HORNというより栄純とコラボしたみたいな感じもそのままだ。松田感、岡峰感があんまり無い。
がっつり加筆訂正は入らなかったんですな。
(もりみーや飛さんみたいに連載と単行本とで筋自体変えていくのが例外的なんだろうか。)
とはいえ、読み返す事で気づいた事もある。
チカと呼ばれた存在、カヤの前には女の子として現れたけど、他の人の所には違う姿で現れたのかも。
斎藤には音楽で。
もしかしたら人ではない存在とも遣り取りしてたのかも。
其其に対して、チカが持つ物語(戦争があって都度避難所に行く、等)も違うとか。
お互いに歌い合う所はカヤ側も歌詞があれば良かったのに。
チカはあるわけやん?
その一方性もストーリーに絡んでくるんだと思っていたが・・・。
出てこないけど、カヤは「君を隠してあげよう」を歌ったんだと考えよう。チカとの事は秘密にしたいだろうし。いい歌だし。
名前の件は叙述トリック的なんだけどあんまり有効じゃないよね・・・。
そもそも「本編」があんまり「誰も望まないアンコール」に作用してない気が。全くしてない訳じゃないけど。
(しかし”誰も望まない”って作者が付けちゃうのって酷くないか・・・?堂堂と「アンコール」って言い切ってくれよ)
いっそ斎藤もチカに出会ってました、とはっきりと明らかになる方がベタだけど落ち着くような。
まぁ出会ってるといえば出会ってる訳だが。
高校時代の斎藤の下りはどうなんだろう、ただ単なる引っ掛けだったらつまらなさすぎる・・・流石にそこはナニカに出会ってる位でないと。
もうちょっと起伏みたいなんがあれば。
あんまり無いから安心して読めるんだろうけど、「この気持ちもいつか忘れる」ってああそうですか、という感じである。

CDはまだあまりがっつり聴けていない。
「カルペ・ディエム」ほどぶっ飛んでない個性が大爆発それってスーパーノヴァ!?ではなく、詞も曲も美しい。
「住野先生が大好きなTHE BACK HORNってどんなバンド?」という人達には安心して差し出せる。
あと「アウト×デラックス」で栄純知った人達にも安心して差し出せる。
一方で「栄純の元カノ、知ってた」なガチ勢(?)も満足である。
因みにTwitter見てたらCD張り付いてるの引っぺがした方があったんだが、上の赤いテープ引っ張れば引っぺがさなくても取り出せる。

試みは面白いのだけど、此処まで”寄らなくて”よかったのかもしれない。
小説があって「実はこれこれの曲達からインスパイアされて書きました」「登場人物のテーマ曲があるんです」「このシーンでこの曲が流れてます、作者の中では」だとか
コラボとか無しに小説を読んだ栄純か誰かが心動かされまくって「EP出来るくらい曲作っちゃいました」だとか。
その位の距離感の方が受け手の自由があって良かったかも。

・・・とか書いておいて、年末読み返して「いやあ良かった素晴らしい」って号泣してたりして☆〜(ゝ。∂)
とはいえ「ダ・ヴィンチ」の「BOOK OF THE YEAR」の回答早まったッッッ!とまではならなかった。
バクホン勢で未回答の方は宜しくお願いします。

PV、ダンスシーンは爪を強調したら良かったような。

住野よる/この気持ちもいつか忘れる [Promotion Video]出演 志田愛佳
ダンスはこのままで、爪と目が印象に残るような強めの色、とか。
これじゃただ踊ってるだけである。

今は絶句して虚無ってる活字中毒稲子を「あったかいお茶入れたげるから、落ち着こうか。牛乳たっぷりコーヒーがいい?くるみゆべし食べよ?」「『突風』いい曲やん?」と銀河遊牧民稲子が慰めてるような状態である。

しかし公式略称が「コイスル」って。
そこだけは、なんかやだ。
しかもタグ付けてTwitter検索したら違うイベントが出てきたぞ。。。

折角だからTHE BACK HORNファンに住野よるが刺さって欲しい(刺さりたい)し、住野よるファンにTHE BACK HORNが刺さって欲しい。
THE BACK HORN側は力入ってる、勿論作者もそうだろう。
だが新潮社はどうなんだろうね。
この↓ザマだもの。
f:id:sociologicls:20200913171848j:plain
作者が「THE BACK HORNと一緒にやりたい」って言ったから実現したコラボでしょうに。
ダ・ヴィンチ」で住野よる特集キター!アンケートで「THE BACK HORNもお願いします」って書き続けて良かった!と思ったら映画公開絡みだったもんな。
双方がっつりコラボ!なのに、小説と音楽のコラボがどうとか言うと別のアーティストの話題出てくるもんな。。。
(こないだラジオの音楽ニュースで釣られた人)

ところで、「出版社・作品が違っても装丁を揃える」というイメージ戦略でもされてるんだろうか。
メルカリで検索かけた時の画面の印象が一定で。

どうでもいいニュース:
アプリにしたら面白かったのでは。
アプリで読んでいって、音楽が必要なとこにボタンがあって、タップしたら相応しい曲が流れる仕組み。
「ハーモニー」のetmlみたいなん必要そう。(by銀河遊牧民稲子)
もっとどうでもいいニュース:
伊藤計劃とコラボしたら面白かっただろうな。。。
もう残ってなかった筈だけどサマソニかなんかフェスで観てはんねん。NINファンにはそんな風に見えるんだと思った記憶が。
あと「アカルイミライ」関連で言及あった。こちらは本にも残ってる筈。(by活字中毒稲子)

*1:THE BACK HORNファンクラブ及びその会員のこと