社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

東京百景

「死にたい死にたい言う奴は死なない」という俗説が未だにあるようだがそんな事は無い、死ぬ時は死ぬ。
未遂に失敗する人もあるし、死ぬスイッチ入った人の勢い・パワーは凄まじい。
10年以上前の話ではあるけれど、未だにやるせない気持ちになる。二度と御免だ。

「東京百景」(又吉直樹/角川文庫)読んだ。

東京百景 (角川文庫)

東京百景 (角川文庫)

エッセイ集だけど、私小説でもあり幻想小説でもあり、九十九怪談*1のようですらある。
フミコさんぽさもある。
すが味も若干。
要は自分の好物なのだ、文章も内容も。
代官山って古着屋が沢山あったのか。
ブランド物ばっかりなんだと思ってた。
昔、栄純が代官山で服を買うという話を聞いて「そんなシャレオツな街に個性的な服があるのか・・・」と驚いたのだった。
トホホだけじゃなく、ほろっとくる話も。
「九十七 梅ヶ丘『リンキィディンクスタジオ』の密室」が凄く好きだ。
ギターを初めてアンプで鳴らす衝撃、衝動、心からの喜びみたいなんが文章に詰まっている。
これ対談相手、向井秀徳
ブッチャーズのオフィから「東京百景」文庫版の情報流れてきてたんで吉村さんの事?と一瞬思ったが、吉村さんだったらテレキャスとは仰らない気がする。
発売記念の朗読の動画で吉村さんの曲が流れてるらしい。まだ観てないからわからん。

芸人コンビも、バンドみたく仲の良し悪しだけじゃない、何とも複雑な関係なんだな。
仲良しとも言えず、かといってビジネスパートナーでもない、ただお互いに噛み合う/噛み合わせる事が出来れば続く。

笑わせようとするより素でやってるのが面白い方がより面白い。それはとても難しい筈。
又吉はそれが出来るから、出来る為のナニカを持ってるから、お笑い芸人で生き抜いてるんだろう。
で、「八十二 ルミネtheよしもと」で書かれているような粋な感謝の仕方するのがまた、ええなぁ、と。

どんな選択も自分の責任だけど、「怖い!」「逃げたい!」くらいは叫んでよいと、自分も思う。

どうでもいいニュース:
「東京なんたら百景」は沢山ありそうだけど、「東京尻百景」なんてのもあるのか・・・尻ばっかりなん?飽きひん?

*1:新耳袋よりはこっちっぽい