社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

飛行船の上のシンセサイザー弾き

精神的に荒んで好きな筈の小説・雑誌が読めない、読んでも入ってこないなんて・・・
ところがどっこい、読める時はウキウキつるつる読める。
まだ大丈夫だ。

「飛行船の上のシンセサイザー弾き」(難波弘之ハヤカワ文庫JA)読んだ。

難波弘之さんが小説をお書きになっていたのは知っていたし、キーボーディストになる前に小説家デビューされてるというのは夕刊フジかどっかで見た。
けど改めて「14~19歳ぐらいまでの間」と言われるとびつくりである。
この本を出すにあたり手を入れておられるそう、「青い世代」はご本人曰く「原型の青臭さのまま」との事だが、いや全然青臭くないですって。
発想力・文章力だけじゃなく洞察力にも長けていらっしゃったんだなぁ。
井上堯之さんの言葉として語られているGSブームや大衆(若者)の冷たさについての考察って、書かれた昭和だけじゃなく令和の今にだって当てはまるのでは。
若いバンドががんがんデビューするけど、そのうち疲弊して活動休止してしまうやん。インディーズに戻るなら良い方で。
活動が目立たなくて自分が知らないだけ、だとしてもまた次に若いバンド出てきて消費されるやん。
育成時代的な時期は経てるんだろうけど、引き出しが少なそうに聴こえる。増えないうちに世代交代しちゃうというか。
何時の時代も変わらない話なのかもしれないが・・・。
”いつまでも若いままでいたい”人々というのも、そうだ。
写真の加工で常に色白曇りのないお肌、お目目ぱっちり、てのは若さの象徴のような気がする。お肌も目蓋も引力には逆らえない。
いつまでもそうありたいのかな・・・と。
美魔女とか。以前ほど話題にはなってないかもしれないが。
オンラインカルテなんて今普通にあるし。“チェーン”外でも通じてる気さえする。保険証からデータ引っ張れるのかな?知らんけど。
(”行き着けの医者”で他の医者にかかった話をしてる時に「あれ?」って思う事が)
それはさておき。
「飛行船の上の〜」は鵬との会話は歌のよう、シンセで話しかけてるし。言葉を介するよりも、より通じるんだろうな。
凡人には伝わらないが。
いい音楽SFだ。

これ、今読まれるべきなんじゃないか?と思う。
電子書籍で復刊しないかなぁ。どういう基準で決まるんだろう。
というか難波さんの他の小説読みたいんですが。
歩いてて転んだ・・・と気づけば難波さんの掌で転がされてる心地よさ。
今はお書きじゃないんですかねぇ。。。エッセイならどっかで読めるのだろうか。

どうでもいいニュース:
難波さん以外で、そういう程よい”掌転がされ”感のある小説ありませんかねぇ。
やや社会を皮肉りつつも皮肉っつう程じゃなく、恋愛・エ□があんまり無いやつ。
昔の日本のSF読んだらいいんだろうけど、世情が酷すぎて筒井康隆とか小松左京とか洒落になんなくなってきたやん・・・。