社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

ヒットの崩壊

無印のハイネックセーター買った。ちくちくしにくいやつ。
敢えてネイビーにしたけど、年末には黒を買った心算になっちゃって「あれ?」ってなりそうな気がする。

「ヒットの崩壊」(柴那典/講談社現代新書)読んだ。

ヒットの崩壊 (講談社現代新書)

ヒットの崩壊 (講談社現代新書)

タイトル、若干釣ってるな。
1990~2000年代のJ-POPと呼ばれる日本のポピュラー音楽の振り返り、とも言える。少なくとも自分はそう感じた。
なので心穏やかに読めた。
「いい曲を作る」→「売る」→「数字が上がる」だったのがすっ転んだのが今のJ-POP界隈。
TMらへんからあった「数字を上げろ」がASAYAN、AKB・・・と経ていくうちに順番がおかしくなったというか何と言うか。
それだけではないが。
そして崩壊というか変容する中、フェス、長時間音楽番組、SNS、カラオケ、踊ってみたetc.で”参加する”という要素が加わっていった。
なるほどな。
面白かったら語りたい、語るのにSNSは適している、そしてSNSで集うのは価値観の近い人達だから誰かに語られると興味を持つ。
そういうのはオタの性・・・と思ってたけど、一般人もそうなんだろうか。
カラオケチャートに定番曲が多いのは、採点カラオケの影響もあるんじゃないだろうか、と少し思った。
点数を取りやすい、挑みやすい曲に集中するだろうし。
ボカロ界隈も作品を上げる事でコメントやPV数という”採点”が為される、と考えたらカラオケに近いものがあるのかもしれない。
そういえば一時期カラオケの履歴にわんさかボカロ曲あったな。
うたスキ動画として、カラオケ歌ってる動画を公開出来たり。今でもあるけど。

とはいえunBORDEもゴリ押し酷いぞ・・・一時期の地元FMでの流れ方が異様だった。
それだけ人気があるのだとしても、だ。
androp、すっげー流れてたのに独立した途端に流れなくなった。あれは何だったんだろう。)
あのゴリ押し感は、この本の中で語られているレーベルの狙いとはそぐわない、それこそ1990年代の”刷り込み”に似てる。
歴史は繰り返すのか。

この本が出版されたのは2016年。
K-POPの台頭*1やシティポップの流行、星野源・米津玄師みたいに幅広い世代・価値観を越えて聴かれるアーティストの登場はその後の出来事である。
今だったら、どう分析されるのだろう。

こうして色々分析されているけれど、邦楽ロックの話はあんまり出てこない。
ちょっとミクスチャーについて触れられている程度(ここら辺の話は面白い)。
それも”分断”なのかなぁ。
J-POPの曲提供してる邦楽ロックアーティストは結構あるはず、とするとJ-POP界隈に関与はしてると思われる。

そういえば”ヒットが崩壊”してチャートもアテにならない時代なのに、ファンがチャート(特にオリコン)気にして悲嘆に暮れたり叩き合ったりするのは何故なんだろう。
ナテンさんにちょっとお聞きしてみたい気もする。

どうでもいいニュース:
著書中に挙がっているランキング、特に触れられてはいないがUNISON SQUARE GARDENが地味に健闘してるんだよなぁ。

*1:これまた新たな”分断”の象徴かもしんない