社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

山怪

昨日・今日と特に何が聴きたいというのも無いな・・・。
で、インビシ→上坂すみれ打首獄門同好会オインゴ・ボインゴ・ホルホース→キツネツキ、以降「てんぐです」の永久ループ。
結局其処か。

「山怪 山人が語る不思議な話」(田中康弘/ヤマケイ文庫)読んだ。

ヤマケイ文庫 山怪 山人が語る不思議な話

ヤマケイ文庫 山怪 山人が語る不思議な話

新耳袋」「九十九怪談」と「山の霊異記」の真ん中みたいな感じかなーと思っていた。
ちょっと「遠野物語」ぽくもあるような。
あくまでも”不思議な話”である。
東北の話が多いのは、山との関わりが深い暮らしだからだろうか。
狐や狸やむじなが化かす話、山(山中だけじゃなく集落の中)で迷う話が多い。
化かされる前に、迷わないように先にお稲荷さんにお供えをする所もあるのだそうだ。
「騙されないぞ!」って気をつけすぎて、ご家族すら疑ってしまうような話もあった。
其れは其れで騙されてるようなもんでは・・・と思ってたら、著者の見解もだいたいそうだった。
色んなやり方があるもんだ。
しかも、必ずしも遠い昔話ではない。
2011年頃にも不思議な話があったようである。少なくとも奥付の底本の発行された日付から逆算すると平成の出来事だと思われる。
びつくりだ!
じーちゃんばーちゃんが小さい頃、そのまたじーちゃんばーちゃんが「気ィつけるんやで」という注意も込めつつ語るくらいには昔の話だと思ってた。それだけじゃなさそう。
様様な現象、其其に「○○だからこうなった」「○○だから怖がる事は無い」と理由付けされ、語られる事で”落ち着く”のだ。
それは集落によっても違う。
もしかして、でっかい何かの一部分一つ一つに”名付け”がされているのだったり・・・して。どうだろう。
山ってのは、生き物も天気も何もかも、人間よりでっかい存在なんだな。
正しく“畏れる”手段の一つが“怪異として名付け、伝える”なのかも。

そして震災の影響はマタギにもあった。
熊肉を食用として流通出来なくなって、有害駆除のみとなってしまった。誇りも無くなってしまった。
自分には解らない、でも”命を頂く”事も出来ず、”害を為すから退治しよう”というのはお辛いだろう。