社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

江戸川乱歩名作選

江戸川乱歩名作選」(江戸川乱歩新潮文庫)読んだ。
タイトルはよく見聞きするが実は読んだ事無かった、なのでこの機会に。
赤い。

「石榴」「押絵と旅する男」「人でなしの恋」「陰獣」など。
初っ端からベリベリ・・・キタよ。
しかしもっと陰惨でグロいかと思った。
「石榴」の殺され方は十分陰惨でグロいが。
それ以上に物悲しさがあるなぁ、と。
人には理解されがたい趣味・思考、そしてすれ違い。
もし仮にすれ違わなかったとしても悲劇は起こってしまうのだろう。
謎解きで「多分こうなんだろうな」と想像しながら読む。
勿論それは自分の想像の上を行く、しかしただ上を行くのではなくて物悲しさが漂っている。
死に行く方は”想い”を遂げられたと言えよう、残される側・・・「押絵と旅する男」の弟、「人でなしの恋」の妻、「陰獣」の寒川は。
妻も寒川も、暴いてしまったばっかりに。

此処に収録されてる作品は、乱歩でもマイルドな方なんだろうか。