社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

異界を覗く

桜、昨日の雨風に耐えたようで今日も綺麗に咲いてた。
昨夕の雨空の下の桜もなかなかオツであった。

「異界を覗く」(小松和彦洋泉社)読んだ。
異界、とは”境界”の"向こう側の世界”。
そして異人とは”向こう側の世界”に属する人。特定の集団の外部にいる人々。
一時的に居るがすぐ立ち去る人もあれば、そのまま定着する人もある、集団内部から生まれてくる(差別・排除される)人、間接的にしか知らない人も。
異人が受け入れられるかどうかは集団の判断次第。
富を齎してくれる、好ましい存在なら受け入れられるし、それが叶えられない、災厄を齎す存在なら排除される。
定着する為に、まずは試される。
或いは集団の危機の解消に使われる。
こわーい。
異人だって「ええ事したろ」「嫌がらせしたろ」と思ってその集団に来る訳じゃないだろう。たまたま立ち寄っただけかもしれない。
集団側の思いだけで歓迎されたりボコられたりするのか・・・。
歓迎されて一安心、と思ってたら「やっぱり排除するわ」かもしれない。
いつ自分が”異人”になるかも分からない。
異界ってのは案外そこらへんにあるのかもしれない。

この本でも民話・昔話が例として挙げられている。
異類婚姻・・・鬼や蛇にうっかり約束してしまって娘を嫁にやらなければならなくなって云々、というやつだ。
色んなパターンがあるのだな。
人間だが嫁ぐと異類の者になってしまう、というパターンは知らなかった。
異類婚姻の結果も、その相手が人間に受け入れられる存在かどうかで違うらしい。
或いは、異常児。字面凄いな。。。
これも福を齎す”福子”か災難を齎す"鬼子”かは生まれてからじゃないと判らない。
災厄を齎すと判断されれば排除されるかもしれないが、実は幸福を齎すかもしれない。占いとその判断次第。
(親の属性etc.にもよる・・・?)

・・・と解釈したんだけど、どうなんだろう。ちゃんと読めてるだろうか。
結局は社会、”わしら”の問題なんだよなぁ。
難しい話抜きにしても、紹介されている話はどれも面白かった。
論文・エッセイ集でもあるので、他に「土蜘蛛草子絵巻」の順番や水木しげる宮崎駿の話もあった。