社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

厭魅の如き憑くもの

大阪・広島はあるんだね。
嬉しいけど、大丈夫か。
キング・クリムゾン観てる最中に時々マツ思い出して、気が気じゃなかったもん。
パット・マステロットみたいに色んなパーカッション叩かないし手でシンバル叩かないし手数ばりばりじゃないけどさぁ。

「厭魅の如き憑くもの」(三津田信三講談社文庫)読んだ。
やっと、やっとですよ、刀城言耶シリーズ。
ミステリもオカルトも昭和の空気も満載の好物てんこ盛り。
以下、ネタバレありなのでご注意ください。





神々櫛村という憑き物筋と非憑き物筋の二つの旧家がいがみ合う、怪異・伝承に溢れた閉鎖的な山村を訪れる怪奇幻想作家・・・って、何処からどう見ても連続殺人のにおいしかしない。
しかも人間関係も乱れまくってるし、村の構造もややこしい、谺呀治(かがち)家に至っては家の作りも女性陣の名前もややこしい。全員代々「さぎり」さんなのである。
そんな物語は”小説”部分と紗霧の日記、取材ノート、漣三郎の記述録から成り立っているが、微妙に表記が揺れている。
初っ端から「あーその”さぎり”は紗霧じゃなくて違う”さぎり”なんだろうなー」とは思っていた。
聯太郎が黒子なんだろ?と思ってたらそっちではなく。確認させる方法も何となく曖昧で、それもトリックのうちかと疑ってしまった。
しかも刀城は気になる怪異・伝承があれば食いついちゃうし、謎を解くに当たっては次から次から推理喋っちゃうからこいつが犯人か・・・と思いきや違う違う実は・・・だし。
でもそれが楽しいんだよなぁ。そういうのが読みたかった。
なかなか人死なないけど。死にだしたら早い・・・って随分酷い書き方だな^^;
主人公・探偵役が弱っちくて散々な目に遭いまくるのもしんどいけど、天才すぎてあっさり解いちゃうのもちょっとつまんない。
外部から訪れた者が色々振り回されつつ解決を齎す、というのが良いではないか。
すっとこどっこいすぎない、すっとこどっこい。
で、そこまで解決しておいて、でも怪異は残るというね・・・それもどうかと思うが「作者不詳」よりはマシか。
でもちょっと多重人格がトリックにつかわれるのはずるいと思います。あくまで謎解きの途中経過ではあるけれど。

再読する時は、表記揺れ・方向を確認しながらメモ取りつつ読んだらよいかもな、と考えている。

どうでもいいニュース:
分厚いけど、京極夏彦に比べたら随分薄いからだいじょうぶ☆〜(ゝ。∂)
だいたい「死ねいい」くらいの薄さだと思うの☆〜(ゝ。∂)と思ったらこっちの方が厚かった)^o^(