社会学的ラブソング・改

音楽と本とお茶と美味しいものと面白いもので出来ている。あんまりはてブされたくないです・・・。

パンク侍、斬られて候

今日は雨も上がったし電車・バスも動いてそうだし寝坊しなかったので「パンク侍、斬られて候」観てきた。
「侍」の読み方も怪しいちっちゃい子も居たけど、大丈夫だろうかと心配になる。
銀魂2」「BLEACH」の予告観られたので、よし。

ネタバレ厭な方は後日。
小説読んでなかったら、ざっと読んどいた方がいいかもしれない。いきなり映画で解るかな?とちょっと思った。





あの小説をどう映画にするんだ?あのなっがい口上みたいな言い回しとか・・・と思ったが、或る程度語り(ナレーション)でカバーしてた。
多分猿が人間の私利私欲塗れでどったんばったんやってるのを「ばかじゃね?」って冷めた目で見てる、という感じなんだろうか。
内藤が掛のあれやこれや見抜いちゃうとことか、茶山のラストとか、メタだし。
現実とフィクション(虚構、虚妄)、世界と自分について描いてるようなとこもあって、映画化するにあたりそこんとこをより際立たせてるんではないだろうか。
前半は台詞が町田節かつクドカン節ではあるものの割とちゃんと時代劇である、後半はそういうのもぶっ壊してCGばりばりの兎に角ただ只管フィクションの世界。
誰のかは知らないけど感情とか本能とか剥き出しで、それが暴走してる。
そういうのも「あほらし」って思ってたんだろうなぁ大臼は。

とか書いてるけど、なんかそういう考察とかすんのもめんどくさい。
わーっとしてぐわーっとしてギャー!でいいんじゃないかしら。
斬りあいが本当にかっこいい。
シトゲちゃんの下り、「悪酔いプーさん、くだまいてポン」が無くて残念である。あれ一番好きで読む度に笑い止まんないんだけどな。
(と家で愚痴ってたら「プーさんがまずかったのでは」との指摘。なるほど。)
途中ちょいと現代の若者皮肉ってるのはクドカンが足したか。自分が原作読んだの11年前で当時はああいう”ゆとり”君は目立たなかったもんな・・・。
全体的にオルガンかっこいい。森さんか。サントラ欲しい。
映像も色みも好きだ。ろんさんの華やかさ、特別さが綺麗。そりゃみんな道あけてくれるって。
茶山は本人が喋るんじゃなくて御付の者が喋ってるんだが*1、それがうさんくさーい宗教感出してて面白かった。
猿を撫でる國村隼に萌える。(何故此処だけ役名じゃないんだ)
何より、ふんどし祭りである。
メインの方々も腹ふりの方々もふんどし。あんなにふんどし祭りなの観る事って・・・ないわけじゃないけどなんかすごかったなぁ。

で、ラストはピストルズの「アナーキー・イン・ザ・UK」で終わればいいのに主題歌じゃなくてまだエンディングがあるってどういう事?町田町蔵もとい町田康の今のバンドじゃだめなん?感覚ピエロ嫌いではないけど不幸過ぎない?大人の事情?尺足りひんから?
・・・なるほど。
「いいとこで流れる」と聞いていたので、刺された瞬間に「アナーキー~」かと思ってた。
まぁ普通にええ感じに流れてくる。このエンディングが映像も歌もかっこええんだわ。
かーらーのー感覚ピエロ「夜のスピード」。敢えてバンドサウンドばりばりではなく。
これも普通にええ感じ、寧ろこういうのが流れてくるラストでよかったんでない?
気持ちよく、現実に引き戻してくれる。勿論皮肉なしの良い意味で。
でなければ腹ふりしながら帰る羽目になってたかもしんない。
さっき「猿が冷めた目で見てる」って書いたが、そう感じたのは「夜のスピード」の最後にお猿が出てくるから。

「評価が100点か0点かに分かれる」とも聞いていたが、点数つけられへん。
虚数とか駆使せなあかん?26次元くらいだったら表現出来る?って感じ。
多分観る人・観る回数で全然感想も評価も点数も、見えてる世界も違うんじゃないかね。

どうでもいいニュース:
この映画、元はdTV用ドラマとして作るらしかったが、「パーフェクト・デイズ」の方がネットドラマ向きじゃなくね?

*1:浅野忠信の案らしいね